The Japanese Journal of Antibiotics
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小児由来新鮮臨床分離株に対するGentamicinの抗菌力
出口 浩一横田 のぞみ古口 昌美中根 豊深山 成美西村 由紀子小田 清次田中 節子佐藤 久美子加藤 三枝子
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1988 年 41 巻 5 号 p. 530-537

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抄録

1986年5月~1987年4月に分離した小児由来臨床分離株に対するGentamicin (GM) の抗菌力を, 他のアミノ配糖体系抗生物質, β-Lactam系剤を加えて検討した。
1. GM耐性菌はStaphylococcus aureus22%, Proteus vulgaris6%, Morganella morgaaii8%, Providencia spp. 40%, Enterobacter spp. 6%, Serratia marcescens14%, そしてPseudomonas aeruginosa14%だった。
Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilisのGM耐性菌は無かった。
2. 小児由来株を用いたGMの抗菌力の成績は, ほぼ同時期に検討した成人由来株の成績と同様の傾向だった。
3. S. aureusのGM耐性菌はその大部分がMethicillin-cephem-resistant Staphylococcus aureusであり, S. marcescens及びP. aeruginosaのGM耐性菌は, 多剤耐性菌としての性質を示した。
4. GM耐性菌はS. aureus, S. marcescens, P. aeruginosaに14~22%と比較的高率であるが, 1980年代前半と比較して, 経年的増加傾向は認められなかった。
5. GMはGenus Providenciaに対する抗菌力が不十分であることが推察された。
以上の成績から, GMは今日においても, 小児も含めた感染症の起炎菌に対して, 有効な抗菌力を維持しているとの結論に達した。

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