The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域におけるCeftizoximeの基礎的及び臨床的検討 (第二報)
伊藤 邦彦和泉 孝治高木 博横山 康宏玉舎 輝彦馬場 義孝早崎 源基
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1988 年 41 巻 8 号 p. 1155-1163

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抄録

Ceftizoxime (CZX) 2g, 1時間点滴静注時の骨盤死腔浸出液への移行, 周産期における母児体内動態を検討し, 以下の成績を得た。
1. CZX 2g, 1時間点滴静注時, 血清中濃度のピークは115.3μg/mlを示した。骨盤死腔浸出液移行濃度は点滴静注開始2.02時間で34.10μg/mlのピークを示した。血清中及び骨盤死腔浸出液中でのCZXの半減期はそれぞれ1.64時間及び3.65時間であつた。
2. 臍帯血への移行は速やかで1時間15分後には10μg/ml以上, 投与6時間でも3μg/ml以上の濃度であつた。
3.CZXの乳汁中への移行は少なく母乳を介して児への影響は少ないと思われた。
4.CZX投与により前期破水による感染症の防止効果が期待できる。
以上のことから, 本剤は産婦人科領域で有用な薬剤と考えられる。

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