The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
産婦人科周産期領域におけるCeftizoximeの基礎的・臨床的研究
山元 貴雄保田 仁介金尾 昌明岡田 弘二
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 41 巻 8 号 p. 1164-1171

詳細
抄録

産婦人科周産期領城においてCeftizoxime (CZX) のPharmacokinetic及び臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
1. CZX1g静注後の母体血清中, 臍帯血清中, 羊水中濃度を測定した。
母体血清中濃度は投与後約15分で平均57.3μg/mlを示し, 以後漸減し, 1時間55分で13.1μg/ml, 4時間20分で3.59μg/ml, 17時間51分で0.11μg/mlの値を示した。
臍帯血清中濃度は, 投与後32分で23.5μg/mlと最高値を示し, 以後は母体血清中濃度に比べ緩徐に減少し, 投与後3時間以降では母体血清中濃度より高値で推移し, 投与後17時間51分で0.41μg/mlの値を示した。
羊水中濃度は投与後30分までは1.00μg/ml以下と低値であったが, 以後漸増し, 1時間55分で21.3μg/mlを示し, 投与後17時間51分を経過しても9.44μg/mlの値を示した。
2. 産婦人科周産期感染症7例にCZX1回1~2g1目2回, 5~9日間静注投与した.
臨床効果はCandida alblcansによる無効1例を除けば著効1例, 有効5例と満足すべき結果であった。
副作用及び臨床検査値異常は全例において認められなかつた。
以上CZXは産婦人科周産期領域において有用性の高い薬剤であると判断した。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事
feedback
Top