The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
新鮮分離グラム陰性桿菌に対するCefotetanのMIC測定成績
出口 浩一横田 のぞみ古口 昌美中根 豊福島 よし子深山 成美西村 由紀子小田 清次田中 節子佐藤 久美子加藤 三枝子
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 42 巻 11 号 p. 2363-2376

詳細
抄録

1988年に分離したグラム陰性桿菌16菌種 (群) 575株に対するCefotetan (CTT) のMIC 分布を検討することを目的に, Cefmetazole (CMZ), Cefoxitin (CFX), Latamoxef (LMOX), Cefazolin (CEZ) を対照に加えてMICを測定し, 1980年代後半におけるセフェム耐性菌の動向を検討した。
1. CTTのMIC分布は, 供試菌種によって異なっていた。106cfu/ml接種時のMIC値≥12.5μg/mlの成績を示したCTT耐性菌の割合は, Escherichia coli, Citrobacter diversus, Klebsiella spp., Proteus spp., Providencia spp., Haemophilus influenzaeは皆無もしくは極めて低率であるが, Citrobacter freundii, Enterobacter spp., Serratia marcescens, Morganella morganiiそしてBacteroides fragilis groupのCTT耐性菌は高率である。
2. C. freundii, Enterobacter spp., S. marcescensのCTT耐性菌の多くはLMOXにも耐性であるが, これらの耐性菌は, オキシム型セファロスポリン, モノバクタムにも耐性を示す多剤耐性菌であることを考察した。
3. E. coliのセフェム耐性菌がCEZ 22%, CFX 14%, CMZ 10%, CTT 2%に確認されたが, セフェム耐性E. coliが増加傾向にあり, なお且つそれらの条件が拡大していることを述べた。
4. CTTを含むセファマイシン耐性菌の問題はβ-ラクタム系薬剤全般にわたる耐性機序と耐性菌が出現してくる社会的状況をも含む次元の問題と密接不可分な関係にあることを論じた。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top