The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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42 巻, 11 号
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  • ITS DAWN AND DEVELOPMENT
    RYOCHI FUJII, D. M. SCII
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2317-2323
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 池本 秀雄, 渡辺 一功, 小酒井 望, 林 康之, 小栗 豊子, 近藤 宇史, 斎藤 玲, 松宮 英視, 上田 京子, 寺井 継男, 丹野 ...
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2324-2353
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    著者らは1981年以来全国各地の研究施設と共同で呼吸器感染症患者分離菌を収集し, 患者背景と分離菌, 分離菌の各種抗菌・抗生剤に対する感受性推移などを経年的に調査してきた。今回は1986年度の調査結果について報告する。
    1986年9月~1987年3月の間, 全国17施設において呼吸器感染症患者558例の主として喀痰から分離され, 起炎菌と推定された細菌は657株であった。このうちStaphylococcus aureus 75株, Streptococcus pneumoniae 108株, Haemophilus influenzae 150株, Pseudomonas aeruginosa (ムコイド非産生株) 107株, P. aeruginosa (ムコイド産生株) 21株, Klebsiella pneumoniae 32株, Escherichia coli 8株, Branhamella catarrhalis 55株などに対する各種抗菌・抗生剤のMICを測定し, 薬剤感受性を調査した。又, 患者背景と感染症及び感染症と起炎菌の推移等についても併せて検討した。
  • 矢沢 勝清, 三上 襄, 音在 清高, 宇野 潤, 新井 正
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2354-2362
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    病原性のNocardiaに対するin vitroでの薬剤感受性を30種のβ-ラクタム系抗生物質 (β-ラクタマーゼ阻害剤2剤を含む) を用いて検討した。その結果, 用いた薬剤の中ではカルバペネム系のImipenem (IPM) に最も強い活性が確認され, 続いてオキサセフェム系のFlomoxef (FMOX) が活性を示した。これらの2薬剤の活性にはそれぞれ特徴がみられ, IPMはNocardia asteroidesグループ (N. asteroides, Nocardia nova, Nocardia farcinica) にだけ極めて強い活性を示し, Nocardia brasiliensisにはほとんど活性を示さなかったが, FMOXは活性が劣るが, 病原性のNocaridaのすべての種に, ほぼ同程度の活性を示した。β-ラクタマーゼ阻害剤であるClavulanic acid及びSulbactamとβ-ラクタム剤との併用 (Clavulanic acid/Amoxicillin, Sulbactam/Ampicillin) においてN. brasiliensis, N. farcinica, N. asteroidesでは, いずれかの組み合せで, 相乗的抗菌活性が観察されたが, N. novaではこの作用は認められなかった。β-ラクタマーゼの産生はほとんどのNocardiaで確認されたが, N. novaでは確認できない菌株が半数以上でみられた。
  • 出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 中根 豊, 福島 よし子, 深山 成美, 西村 由紀子, 小田 清次, 田中 節子, 佐藤 久美 ...
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2363-2376
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1988年に分離したグラム陰性桿菌16菌種 (群) 575株に対するCefotetan (CTT) のMIC 分布を検討することを目的に, Cefmetazole (CMZ), Cefoxitin (CFX), Latamoxef (LMOX), Cefazolin (CEZ) を対照に加えてMICを測定し, 1980年代後半におけるセフェム耐性菌の動向を検討した。
    1. CTTのMIC分布は, 供試菌種によって異なっていた。106cfu/ml接種時のMIC値≥12.5μg/mlの成績を示したCTT耐性菌の割合は, Escherichia coli, Citrobacter diversus, Klebsiella spp., Proteus spp., Providencia spp., Haemophilus influenzaeは皆無もしくは極めて低率であるが, Citrobacter freundii, Enterobacter spp., Serratia marcescens, Morganella morganiiそしてBacteroides fragilis groupのCTT耐性菌は高率である。
    2. C. freundii, Enterobacter spp., S. marcescensのCTT耐性菌の多くはLMOXにも耐性であるが, これらの耐性菌は, オキシム型セファロスポリン, モノバクタムにも耐性を示す多剤耐性菌であることを考察した。
    3. E. coliのセフェム耐性菌がCEZ 22%, CFX 14%, CMZ 10%, CTT 2%に確認されたが, セフェム耐性E. coliが増加傾向にあり, なお且つそれらの条件が拡大していることを述べた。
    4. CTTを含むセファマイシン耐性菌の問題はβ-ラクタム系薬剤全般にわたる耐性機序と耐性菌が出現してくる社会的状況をも含む次元の問題と密接不可分な関係にあることを論じた。
  • 1濃度ディスク (1, 2, 5, 10, 30μg含有ディスク) 感受性結果の定量的利用とその臨床的意義
    松尾 清光, 植手 鉄男
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2377-2392
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1. 本研究においては, イミペネム (IPM) の各種臨床分離菌株への抗菌力 (MIC) の測定及びディスク感受性結果の定量的吟味, 検討を行った。昭和及び自家製ディスク (共に8mm直径30μg含有) の阻止円直径とMIC実測値を比較し, その4分類評価及び3分類評価の信頼性を究明した。30μg含有ディスクではMIC3μg/ml以下の菌株を細分類できない。MIC3μg/ml 以下に分布する菌株を細分類するため, 1, 2, 5, 10μg含有8mm直径の4種類の低濃度ディスクを作成し, それぞれの阻止円直径とMIC実測値から, これらディスクの感受性テストの有用性を検討した。
    2.1988年1月から6月に至る間, 北野病院 (大阪市) において, 各種臨床材料から分離された413菌株に対するIPMのMIC実測値からするとStaphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Group A Streptococcus, Streptococcus pneumoniae, Enterococcus faecalis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Indole (-),(+) Proteus, Haemophilus influenzae, Pseudomonas aeruginosa, Serratia spp., Enterobacter spp., Citrobacter freundii, Acinetobacter anitratusの70%以上の菌株の発育がほぼ1μg/ml以下の濃度で阻止された。Xanthomonas maltophiliaに対するMICはすべて100μg/ml以上であった。
    3. S. aureusに対するIPM, セファゾリン (CEZ), ミノサイクリン (MINO) のMIC80はそれぞれ25, 100, 0.39μg/mlであった。IPMのMICピーク値は0.025μg/ml以下に認められたが, CEZ, MINOではそれぞれ0.39, 0.10μg/mlであった。P. aeruginosaに対するIPM, セフタジジム (CAZ), アズトレオナム (AZT) のMIC80はそれぞれ1.56, 6.25, 25μg/mlであった。又, IPM, CAZのMICピーク値はそれぞれ0.78, 3.13μg/mlであった。AZTは3.13~6.25μg/mlにMICピーク値がみられた。
    4.30μg含有昭和及び自家製ディスクでの感受性結果を阻止円直径から分類し,(+++) をMIC≤3μg/ml,(++)>3~15μg/ml,(+)>15~60μg/ml,(-)>60μg/mlとした場合, 両ディスクとも阻止円直径とMIC実測値との間に良好な負の相関関係がみられた。両ディスク結果からMIC概値を推定することは可能であり, 信頼性は高い。False positiveは0.3~2.6%, False negativeは0.3~2.3%であった。
    5. 低濃度 (1, 2, 5, 10μg含有) ディスク阻止円直径から, 10μg又は5μg含有ディスクではMIC約1μg/ml以下, 約1~3μg/ml, 約3μg/ml以上の菌に分類することができた。2μg及び1μg含有ディスクでは, 約1μg/ml以上と以下の菌に分類することができた。
    6. 低濃度ディスクを感受性検査に使用することは, IPMの血中濃度, 組織内濃度がMIC 以上にあるかどうか, 更にMICの何倍以上あるかをより正確に推定でき, IPM投与量設定, 評価により有用である。
  • 今泉 宗久, 小鹿 猛郎, 内田 達男, 内田 安司, 榊原 正典, 近藤 大造, 阿部 稔雄
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2393-2405
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我々は開胸手術患者20例において, 新Cephem系抗生物質Cefuzonam (CZON) の肺組織内移行と術後感染予防について検討し, 以下の結論を得た。
    1. CZON 1g, 術直前1時間点滴静注による血清中濃度は投与開始1時間後に平均41.5μg/ml (血清ピーク値) となり, その後漸減し, β相における半減期は1.20時間であった。
    2. CZONの正常肺組織内濃度は投与開始後1時間値が平均12.7μg/gであり, β相における半減期は1.28時間であった。閉塞性肺炎病巣部の肺組織内濃度は採取例が4例と少ないが, 投与開始後3時間値が平均13.7μg/gであり, β相における半減期は1.65時間であった。
    3. CZONの細気管支組織内濃度は投与開始後2, 4, 6時間値がそれぞれ平均14.5, 3.1, 2.8μg/gであり, β相における半減期は3.53時間であった。
    4. CZON使用開胸手術患者において, 術後感染症の発生は1例もなく, 又, 重篤な副作用の出現もみられなかつた。従つて, CZONは肺組織内移行, 特に細気管支組織内移行が良好であり, 呼吸器感染症の治療薬及び呼吸器疾患の術後感染予防薬として有用である。
  • 森田 純二, 浜口 伸正, 吉沢 潔, 仁木 俊助, 近藤 和也
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2406-2411
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefotaxime (CTX) 1gを肺手術症例に投与し, 投与1時間後, 2時間後, 3時間後における肺組織内濃度を測定した。合せてCTXの血中濃度を経時的に測定し以下の結果を得た。
    1. Bioassay法によるCTXの肺組織内濃度はCTX投与1時間後3.78±1.93μg/g, 2時間後1.91±0.92μg/g, 3時間後1.19±1.04μg/gであった。
    2. Bioassay法によるCTXの血中濃度はCTX投与30分後36.9±14.4μg/ml, 1時間後 22.5±10.5μg/ml, 2時間後12.8±6.32μg/ml, 3時間後8.52±5.54μg/ml, 6時間後3.98±3.19μg/mlで, 血中半減期は1.82時間であった。
    3. 今回の測定によると, CTXの肺組織内濃度は投与後1時間で3.78±1.93μg/gあった。この濃度は呼吸器外科領域の主要起炎菌であるStreptococcus pneumoniae (MIC80≤0.025μg/ml), Klebsiella pneumoniae (MIC80 0.05μg/ml) 等の80%最小発育阻止濃度の10倍以上の移行濃度である。一方, 血中濃度は健康成人の血中濃度とほぼ同じであった。
    4. 以上の結果から, CTXは呼吸器外科領域において有用な薬剤と考える。
  • 佐々木 眞敬, 佐野 光一, 角 明美, 本山 径子, 矢野 讓次, 松本 一彦, 山本 宏
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2412-2421
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Miporamicin (MPM) 並びにその微量成分, 分解物及び代謝物のマウス, ラットにおける急性毒性試験を行った。
    1. MPMの経口投与によるマウス, ラットにおけるLD50値は最高用量においても死亡が認められなかったことから, それぞれ2,500mg/kg及び2,000mg/kg以上と推定された路。投与経によるLD50値は静脈内く皮下く経口投与の順に高くなり, 性差は認められなかった。
    2. MPMを経口投与されたマウス, ラットの一般症状に異常は認められなかった。皮下投与では, 投与部位の腫脹, 皮下充出血, 脱毛, 痂皮形成等の炎症性反応が認められた。静脈内投与では, 投与直後に運動抑制及び呼吸抑制又は停止, 振戦, 痙攣等が観察された。
    3. MPM投与による死因は呼吸抑制, チアノーゼ, 更に, 呼吸停止の後, 心拍の停止がみられることから, 呼吸機能麻痺によると推定された。
    4. MPMの微量成分, 代謝物及び分解物の急性毒性試験ではMPMとほぼ等しい毒性発現を示した。
  • 本山 径子, 角 明美, 三浦 昌己, 矢野 讓次, 守野 豊彦, 松本 一彦, 山本 宏
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2422-2446
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新規マクロライド系抗生物質Miporamicin (MPM) を雌雄ラットに28日間連続混餌投与し, その毒性を検討した。投与濃度を3,200, 8,000, 20,000, 50,000ppmとし, 投与終了後28日間の回復試験も併せて行った。
    1. 全試験を通じて死亡例はみられなかった。一般症状ではMPM-50,000群で粗毛及び削痩が観察されたが, 回復試験では, これらの症状は消失した。
    2. MPM-50,000群で体重増加抑制並びに摂餌・摂水量の減少がみられた。回復試験では体重増加量並びに摂餌・摂水量の回復を認めた。
    3. 検体摂取量はMPM-3,200群で雄273mg/kg/日, 雌288mg/kg/日, MPM-8,000群で雄721mg/kg/日, 雌773mg/kg/日, MPM-20,000群で雄1,738mg/kg/日, 雌1,856mg/kg/日, MPM-50,000群で雄3,405mg/kg/日, 雌3,611mg/kg/日であった。
    4. 血液学的検査ではMPM-50,000群で飼料摂取不良に起因すると思われる赤血球数, 白血球数, ヘマトクリット値, ヘモグロビン量及び血小板数の減少がみられた。回復試験では, これらの変化は回復あるいは軽減した。
    5. 血清生化学的検査ではMPM-50,000群において, 総蛋白, アルブミン, グルコース及びトリグリセライドの減少を認めたが, いずれの変化も飼料摂取不良に起因するものと思われた。回復試験では摂餌量の回復に相関して, これらの変化は回復あるいは軽減した。
    6. 尿検査ではMPM-20,000群ないし50,000群で尿量, 尿電解質及び尿浸透圧の減少ないし上昇を認めたが, いずれの変化も抗生物質投与による盲腸肥大あるいは摂餌・摂水量減少による二次的な変化と思われ, 回復試験では, 摂餌・摂水量の回復及び盲腸肥大の軽減に伴い, これらの変化はいずれも回復した。
    7. 肉眼的検査ではMPM-50,000群で削痩に相関した体脂肪減少, 脾臓及び胸腺の萎縮を認めた。又, 投与量に比例して盲腸肥大が認められた。回復試験では, これらの変化はいずれも回復あるいは軽減した。
    8. 臓器重量ではMPM-50,000群で飼料摂取不良に起因すると思われる脾臓及び胸腺重量の減少, 更に, 投与量に比例して盲腸重量の増加を認めた。回復試験では, これらの変化は回復あるいは軽減した。
    9. 病理組織学的検査ではMPM-50,000群で脾臓に軽度な萎縮がみられ, 被膜の蛇行とリンパ濾胞辺縁部のリンパ球の減少傾向を認めた。更に, 胸腺に萎縮傾向を, 腸管膜リンパ節に傍皮質領域のリンパ球 (T-細胞) の減少傾向がみられた。又, 骨髄に脂肪細胞の増加を認めた。これらの変化はいずれも栄養摂取不良によるものであり, 回復試験では, いずれも回復した。
    10. 電子顕微鏡検査では肝臓及び腎臓とも異常は認められなかった。
    11. 以上の結果, 本試験における無影響量は低栄養性病変の認められない20,000ppmと推定した。
  • 本山 径子, 角 明美, 三浦 昌己, 矢野 譲次, 守野 豊彦, 松本 一彦, 山本 宏
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2447-2471
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新規マクロライド系抗生物質Miporamicin (MPM) を雌雄ラットに6カ月間連続混餌投与し, その毒性を検討した。投与濃度を1,280, 3,200, 8,000, 20,000ppmとし, 投与終了後2 カ月間の回復試験も併せて行った。
    1. 全試験期間を通じて死亡例はみられなかった。一般症状では眼瞼周囲炎, 加齢性変化が散見された程度であり, 特に留意すべき変化は認められなかった。
    2. 体重, 摂餌・摂水量に明らかな変化はみられなかつた。
    3. 検体摂取量はMPM-1,280群で雄69mg/kg/日, 雌82mg/kg/日, MPM-3,200群で雄 176mg/kg/日, 雌207mg/kg/日, MPM-8,000群で雄436mg/kg/日, 雌519mg/kg/日, MPM-20,000群で雄1,080mg/kg/日, 雌1,280mg/kg/日であった。
    4. 血液及び血清生化学的検査では薬物投与に起因する変化はみられなかった。
    5. 尿検査では尿量, 尿電解質あるいは浸透圧に軽度な変化がみられた。回復試験では, これらの変化はいずれも回復した。
    6. 肉眼的検査では投与量に比例して盲腸肥大がみられたが, 回復試験では, この変化は回復あるいは軽減した。
    7. 臓器重量では投与量に比例して盲腸重量の増加がみられたが, 回復試験では, この変化は回復あるいは軽減した。
    8. 病理組織学的検査では, 自然発生病変あるいは加齢性変化以外, 薬物投与に起因する病態像は認められなかった。
    9. 電子顕微鏡検査では肝臓及び腎臓とも異常は認められなかった。
    10. 以上の結果, 本試験における無影響量は臓器障害のみられない20,000ppmと推定した。
  • 古橋 忠和, 須田 宏, 佐々木 眞敬, 中島 幹夫, 山本 宏
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2472-2487
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Miporamicin (MPM) の40,200mg/kg及び1,000mg/kgをラット胎仔の器官形成期に経口投与し, 胎仔の発生及び出生仔の生後発育に及ぼす影響を検討した。
    母動物では, 妊娠中及び哺育中の体重に投与の影響はみられなかった。妊娠中に200mg/kg以上の投与群において摂餌量の減少及び摂水量の増加がみられた。又, 哺育中に1,000mg/kg投与群で摂餌量及び摂水量の増加がみられた。母動物の内部器官検査では, MPM投与の影響はみられなかつた。
    胎仔の観察では, 着床数, 生存仔数, 死亡率, 外形, 内部器官及び骨格にMPM投与の影響は認められなかった。200mg/kg以上の投与各群で雄胎仔体重の低値がみられた。
    出生仔の生後観察では, 出生率, 生存率, 離乳率, 生後分化状態, 体重, 外形, 骨格, 内部器官, 器官重量, 機能, 行動, 情動性, 学習及び生殖能力並びにその次世代についての各検査成績にMPM投与の影響は認められなかつた。
    以上の結果から, 本試験条件下におけるMPMの無影響量は母動物では40mg/kg, 胎仔では40mg/kg, 出生仔では1,000mg/kgと結論された。
  • K. P. HAZELDEN, J. A. WILSON, 佐々木 眞敬, 高橋 弘樹, 山本 宏
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2488-2499
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    マクロライド系抗生物質であるMiporamicin (MPM) のウサギにおける胎仔の器官形成期投与試験を行つた。
    非妊娠及び妊娠動物による投与量設定試験の後, 各群15例のNew Zealand White系ウサギに対し, MPMの50, 100mg/kg及び200mg/kgを交尾日を0日として妊娠6日から18日の間, 1日1回経口投与し, 母動物及び胎仔に対する影響を検討した。
    200mg/kg投与群の母動物の摂餌量にMPM投与の影響がみられ, その群の4分の1以上の動物において摂餌の中止が認められた。
    すなわち, 本試験条件下では, MPMは胎仔の器官形成期に200mg/kgまでの量を投与されても妊娠の帰結に何ら影響を及ぼさず, 100mg/kg投与では, 母動物及び胎仔双方に明らかな影響を認めなかつた。
  • 中野 雄司, 後藤 いくよ, 小林 洋四郎, 松本 一彦, 山本 宏
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2500-2505
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Miporamicin (MPM) の抗原性及び皮膚感作性をモルモット及びマウスを用いて検討し, 以下の結論を得た。
    1. モルモットにおける全身性アナフィラキシー反応では典型的なアナフィラキシー症状は全く観察されなかつた。
    2. モルモットにおけるHcmologous受動的皮膚アナフィラキシー反応 (PCA反応) においてMPM感作血清は全例陰性であり, 特異抗体の産生は認められなかつた。
    3. マウス感作血清を用いたラットPCA反応においてもMPM感作血清は全例陰性であり, 特異IgE型抗体の産生は認められなかつた。
    4. モルモットを用いた皮膚感作性試験においてMPMは陰性であり, 接触アレルギー反応は認められなかつた。
    以上, MPMは本試験条件下においてモルモット及びマウスに対する抗原性並びにモルモットに対する皮膚感作性を示さなかった。
  • 園 明, 小柳出 貴巳子, 鈴木 昭浩, 小林 洋四郎, 松本 一彦, 山本 宏
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2506-2512
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    動物用新規マクロライド系抗生物質Miporamicin (MPM) の変異原性を検討するために細菌を用いる復帰変異試験, 哺乳類の培養細胞を用いる染色体異常試験及びげつ歯類を用いる小核試験を行った。
    MPMは細菌を用いる復帰変異試験では陰性を示したが, 哺乳類の培養細胞を用いる染色体異常試験で高濃度において異常頻度の増加を認めたため, 更にげっ歯類を用いる小核試験を行ったが結果は陰性であった。
  • 小平 輝朋, 中西 大介, 後藤 いくよ, 小林 洋四郎, 松本 一彦, 山本 宏
    1989 年 42 巻 11 号 p. 2513-2525
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Miporamicin (MPM) の局所刺激性を皮膚一次刺激性試験及び眼粘膜刺激性試験 (DRAIZE 法) に基づいて検討した。
    その結果, 皮膚一次刺激性試験ではMPMは一次刺激性インデックス (P. I. I.) による判定で中等度の刺激物に分類され, 病理組織学的には皮膚における炎症性変化の誘発が認められた。
    眼粘膜刺激性試験では, 未洗浄の場合は中等度~強度の刺激性が, 洗浄した場合は軽度の刺激性が認められ, 病理組織学的には表層角膜炎, 結膜炎等の炎症性変化の誘発が認められた。
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