1989 年 42 巻 12 号 p. 2566-2573
血液疾患及び固形腫瘍に併発した重症感染症に対し, Imipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) を投与し, 有効性及び安全性の検討を行った。
有効性評価対象症例は75例で, 血液疾患37例での有効率は73.0%であり, 固形腫瘍38 例での有効率は71.1%であった。単独投与66例での有効率は72.7%であり, 他剤併用9例での有効率は66.7%であった。初回使用35例での有効率は71.4%であり, 他剤無効40例での有効率は72.5%であった。血液疾患での好中球数と有効性の検討では, 好中球数100個/mm3以下の症例での有効率は101個/mm3以上の症例に比較して有意に低下していた。
副作用4例, 肝機能検査異常5例が認められたが, いずれも軽度且つ一過性であった。
以上の結果から, IPM/CSは血液疾患及び固形腫瘍患者に併発した重症感染症に対し, 極めて有効且つ安全な抗生剤であると考えられた。