1989 年 42 巻 12 号 p. 2555-2565
Ceftazidime (CAZ) の難治性呼吸器感染症56例に対する有用性について検討した。投与量は1日2~4gを2回に分割し, 点滴静注により, 3~15日間使用した。
1. 解析対象例は38例で, 有効率は肺炎68% (17例/25例), 慢性気管支炎60% (3例/ 5例), 慢性呼吸器疾患の二次感染67% (4例/6例) であり, 全体では63.2% (24例/38例) であった。
2. 細菌学的効果では菌消失率は68.2% (15株/22株) であり, Staphylococcus aureusでは全例 (4株) 消失し, Pseudomonas aeruginosaでは10株中4株に菌消失, 2株に菌数減少がみられた。
3. 副作用は56例中2例 (3.6%) に軽度の肝障害が認められた。
4. 以上から, CAZはMonotherapyにより高齢者や基礎疾患を有する難治性及び重症感染症に対して有用性の高い薬剤と考えられた。