The Japanese Journal of Antibiotics
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42 巻, 12 号
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  • 三河 春樹, 真弓 光文, 秋山 義之, 伊藤 節子, 渡辺 寛, 金岡 裕夫, 竹下 茂夫, 高橋 良明, 秋山 文子, 吉村 文秀, 末 ...
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2527-2539
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児科領域感染症に対して, Cefixime (CFIX) を用いて, 多施設 (23施設) で臨床検討を実施し, 下記の結果を得た。
    1. 小児科領域感染症144例を対象とし, 有効性については138例, 安全性については144 例について検討評価した。
    2. CFIXの臨床効果は扁桃炎などの上気道炎85.7%, 急性気管支炎89.5%, 肺炎94.4%, 溶連菌感染症78.9%, 尿路感染症90.5%の有効率であつた。
    3. 細菌学的効果は投与後の菌の消長が判明している50株において, 86.0%の菌消失率であつた。特に, Streptococcus pyogenes, Escherichia coli, Haemophilus influenzae, Haemophilus parainfluenzaeの消失率が高かつた。
    4. 中等症以上の呼吸器感染症及び溶連菌感染症ではCFIXの1日投与量が10mg/kg前後で有効率が高かつた。
    5. 副作用については, 食欲不振1例, 下痢1例の計2例だけで, 発現率は1.4%であつた。臨床検査値異常は4例にみられ, 発現頻度は3.3%であつた。
    以上の成績から, CFIXは小児科領域感染症に対して有用性の高い抗生剤であると考えられる。
  • 亀岡 博, 高野 右嗣, 三好 進, 岩尾 典夫, 水谷 修太郎
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2540-2547
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    尿路感染症に対して, Cefiximeを1日に200mg (分2) 投与した結果, 急性単純性膀胱炎の 35例 (平均3.9日間投与) で100%, 複雑性尿路感染症の79例 (平均5.9日間投与) で63% の総合有効率を得た。投与期間などの点でUTI薬効評価基準による治験結果と直接比較することは困難であるけれども, ほぼ同様の効果を示した。不適応, 脱落例も含めて, 合計128例中 4例に自覚的副作用を認めた。うち3例は下部消化管症状であり, 服薬終了後消失した。皮疹は 1例もなかった。本剤は単純性, 複雑性尿路感染症に対して1回100mg1日2回の投与で優れた臨床効果を示し, 細菌学的効果もEscherichia coliはもちろんIndole (+) Proteus属にも高い菌消失率を示し, Pseudomonas aeruginosaにも61.5%の消失率であった。しかし, 複雑性尿路感染症のカテーテル留置例については, 症例数が少なかったが400mg/日に増量して検討する必要性が示唆された。
  • 田中 新司, 津田 昌一郎, 中川 均, 西垣 光, 奥田 司, 谷脇 雅史, 三澤 信一, 瀧野 辰郎, 阿部 達生
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2548-2554
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    造血器疾患に合併した感染症22例に対しCefbuperazone (CBPZ), Amikacin (AMK) 併用療法を地行し, 有効性及び安全性の検討を行った。
    1. 評価対象症例は18例で, その有効率は55.6%であった。
    2. 感染症の内訳で最も多い敗血症疑い症例での有効率は42.9%であった。
    3. 投与後好中球数が多い程有効率が高くなる傾向を認めた。
    4. グラム陰性桿菌を検出した3症例にはすべて有効性を示した。
    5.1例に一過性で軽度のタンパク尿を認めたが, 他に重篤な副作用を認めなかった。
    以上から, CBPZ, AMK併用療法は安全性が高く, 造血器疾患に合併した感染症に対し有用な併用療法の一つと考えられた。
  • 岳中 耐夫, 福田 浩一郎, 木村 孝文, 志摩 清, 牛島 正人, 江頭 洋祐, 池田 俊, 平岡 武典, 樋口 定信, 藤瀬 隆司, 重 ...
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2555-2565
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftazidime (CAZ) の難治性呼吸器感染症56例に対する有用性について検討した。投与量は1日2~4gを2回に分割し, 点滴静注により, 3~15日間使用した。
    1. 解析対象例は38例で, 有効率は肺炎68% (17例/25例), 慢性気管支炎60% (3例/ 5例), 慢性呼吸器疾患の二次感染67% (4例/6例) であり, 全体では63.2% (24例/38例) であった。
    2. 細菌学的効果では菌消失率は68.2% (15株/22株) であり, Staphylococcus aureusでは全例 (4株) 消失し, Pseudomonas aeruginosaでは10株中4株に菌消失, 2株に菌数減少がみられた。
    3. 副作用は56例中2例 (3.6%) に軽度の肝障害が認められた。
    4. 以上から, CAZはMonotherapyにより高齢者や基礎疾患を有する難治性及び重症感染症に対して有用性の高い薬剤と考えられた。
  • 竹森 弘光, 坂田 優, 小笠原 仁, 芳賀 陽一, 沢田 美彦, 相原 守夫, 佐々木 大輔, 吉田 豊, 千葉 陽一, 鈴木 明夫, 木 ...
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2566-2573
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    血液疾患及び固形腫瘍に併発した重症感染症に対し, Imipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) を投与し, 有効性及び安全性の検討を行った。
    有効性評価対象症例は75例で, 血液疾患37例での有効率は73.0%であり, 固形腫瘍38 例での有効率は71.1%であった。単独投与66例での有効率は72.7%であり, 他剤併用9例での有効率は66.7%であった。初回使用35例での有効率は71.4%であり, 他剤無効40例での有効率は72.5%であった。血液疾患での好中球数と有効性の検討では, 好中球数100個/mm3以下の症例での有効率は101個/mm3以上の症例に比較して有意に低下していた。
    副作用4例, 肝機能検査異常5例が認められたが, いずれも軽度且つ一過性であった。
    以上の結果から, IPM/CSは血液疾患及び固形腫瘍患者に併発した重症感染症に対し, 極めて有効且つ安全な抗生剤であると考えられた。
  • 藤田 晃三, 室野 晃一, 坂田 宏, 梯 仁志, 岡 敏明, 帰山 雅人, 吉岡 一, 丸山 静男, 早苗 信隆
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2574-2581
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    低出生体重児13例を含む新生児・幼若乳児の27例にCefmenoximeを投与し, その臨床効果と副作用, 及び薬物動態を検討した。
    本剤の適応と考えられた化膿性髄膜炎1例, 敗血症5例, 敗血症疑い6例の合計12例に対する投与成績は著効2例, 有効7例, やや有効3例であった。副作用は合計23症例について検討したが, 臨床的にも, 又, 検査成績においても本剤によると思われる副作用は認めなかった。
    生後2~24日目体重2.4~4.2kgの6例については本剤をBolus intravenous injection した時の血清中濃度を, そのうち4例については尿中濃度を測定した。10mg/kg投与した2例の血清中濃度は投与後15分で35.6μg/mlと55.7μg/ml, 投与後2時間で11.8μg/mlと 19.6μg/mlであり, 20mg/kg投与した3例では, 投与後15分で54.6μg/ml, 100μg/ml, 102μg/ml, 投与後2時間で25.4μg/ml, 28.1μg/ml, 32.0μg/mlであった。これら5例の血清中半減期は1.3~1.5時間とほぼ一定していたが, 生後2日目の1例に25mg/kg投与した場合の血清中半減期は4.4時間であった。10~20mg/kg投与した後8時間までの尿中回収率は1例では30.3%と低かったが, 他の3例では, 74.2%, 77.6%, 85.8%であった。化膿性髄膜炎の1例に1日20mg/kgを4回投与開始後15日目の髄液中濃度は, 投与後3時間で 0.4μg/mlであり, 無菌性髄膜炎の1例に1日42mg/kgを3回投与開始後2日, 5日, 8日目の投与1時間, 2時間, 35分後で, それぞれ0.6, 0.54, 2.48μg/mlであった。
  • 佐藤 吉壮, 岩田 敏, 楠本 裕, 城 裕之, 老川 忠雄, 小佐野 満
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2582-2592
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefmenoxime (CMX) の新生児・未熟児における基礎的・臨床的検討を行い, 以下のような結果を得た。
    1. CMX 20mg/kgを投与した場合, One shot静注, 1時間点滴静注のいずれにおいても十分に高い血中濃度が得られた。半減期は他のCephem系抗生物質と同様に日齢による変化が認められ, 加齢と共に短縮する傾向がみられた。
    2. 尿中回収率は各群の間で差がみられたが, 尿中濃度は全体に高値であった。
    3. 臨床的検討では, 効果を判定し得た15例中12例が著効もしくは有効であった。
    4. 副作用は27例について検討し, 1例に出血傾向, 1例に好酸球増多, 1例にGOT上昇, 4例に異常プロトロンビン (PIVKA II) 陽性が認められた。
    従つてCMXは新生児・未熟児領域の細菌感染症に対して極めて有用な薬剤と思われる。
  • 豊永 義清, 杉田 守正, 黒須 義宇, 堀 誠, 瀬尾 究
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2593-2606
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefmenoxime (CMX) で治療又は感染予防のために使用した日齢0~24日までの成熟児, 未熟児41例について10, 30mg/kgをOne shot静注, 20mg/kgについて更に1時間点滴静注を加え, その後の血清中濃度推移及び尿中回収率を検討した。例数が少ないため, 成熟児, 未熟児に分けて解析せず, 新生児として, 日齢ごとに3日以内, 4~7日, 8日以上と3群に分けて比較検討した。臨床的検討を行つたのは, 生後1~29日の男児7例, 女児1例であり, その内訳は敗血症, 中耳炎, 蜂窩織炎がそれぞれ1例, 肺炎3例, 尿路感染症が2例であつた。
    1. 血清中濃度推移及び尿中回収率
    (1) 10mg/kg, One shot静注
    3群のピーク値はいずれも初回採血時 (30分) にあり, 28.9μg/ml, 29.5μg/ml, 29.1μg/ml であり, その後, 各群とも緩徐に低下し, 6時間でも一番低い8日以上の群でも平均1.9μg/ml を示していた。半減期も, 日齢が進むに従い短縮しており, 平均で3.0時間, 1.9時間, 1.4時間であつた。尿中回収率は6時間まで検討した例は3例であつたが, 68.9~84.9%とかなり高いものであつた。又, 2時間までの検討でも15.4~66.2%の回収率を示した。
    (2) 20mg/kg, One shot静注
    3群とも30分にピークを示し, 65.2μg/ml, 60.5μg/ml65.8μg/mlで有意差を認めず, 濃度の低下も緩徐で, 6時間でも20.1μg/ml, 6.5μg/ml, 9.5μg/mlとかなり高い値を示していた。半減期は0~3日群3.5時間, 4~7日群1.7時間, 8日以上群は1.9時間と, 4日以降で半減期が逆転した結果を得た。これは8日以上の群での検討が, 全例, 未熟児であり, そのうち2例が測定時でも2, 000g以下の低体重であることが影響していると考える。尿中回収率は 6時間まで検討した4例では, 37.0~89.4%であり, 広い範囲であつた。
    (3) 20mg/kg, 1時間点滴静注各群とも点滴静注終了時にピーク値を示し, 57.7μg/ml, 60.2μg/ml, 72.4μg/mlであり, 6 時間値も19.1μg/ml, 7.4μg/ml, 8.8μg/mlと高い値を示していた。半減期は4日以上群では
    1.7時間であり, 3日以内群は3.2時間を示していた。尿中回収率は2例の検討で33.3%,
    60.9%であつた。(4) 30mg/kg, One Shot静注
    3例の検討で, 2~6日齢で30分~1時間にピークを示し, 98.7~108.0μg/mlであり, 半減期は1.5~4.7時間であつた。尿中回収率は3~4時間までに, 19.3%, 22.0%であつた。
    2. 臨床成績
    8例で検討し, CMX50~160mg/kg/日の投与量を3~4回に分注し, 投与した。8例の内訳は肺炎3例, 尿路感染症2例, 中耳炎, 蜂窩織炎, 敗血症それぞれ1例で, 全例有効以上の成績であつた。全例から菌が検出され, Staphylococcus aureus 2例, Streptococcus pneumoniae 3例, Escherichia coli 2例, Klebsiella pneumoniae 1例はいずれも経過中に消失した。
    3. 投与量, 投与回数
    20mg/kgでの投与量において, ばらつきはあるものの, 6時間でも最低3μg/mlを維持しており, 半減期も日齢により若干異なるものの1.7~3.5時間であり, これにCMXの優れた抗菌力を考慮し, 1日の投与量を検討すれば, 今回検討を加えた中等度感染症でも1日3回投与すれば適当と考える。
  • 柱 新太郎, 野中 千鶴, 藤井 良知
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2607-2616
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1. 化膿性髄膜炎, 敗血症を含む9例の新生児細菌感染症に対して, Cefmenoxime (CMX) を1回量20~25mg/kg, 1日2~3回 (40~75mg/kg/日), 30分点滴静注した。臨床効果判定の結果, 7例が著効, 2例が無効であった。細菌学的効果判定の結果, 黄色ブドウ球菌の1例を除く8例において, 起炎菌の消失を認めた。
    2. CMXを使用した18例の新生児中, 6例に副作用がみられた。その内容は下痢, 鵞口瘡, GOT, GPT, LDH, Al-Pの上昇であるが, 本剤使用中止の必要性は認めなかった。
    3.16例の成熟児及び10例の低出生体重児について, 生後0~30日にCMXの血中濃度の推移を検討した。1回量20mg/kg, 30分点滴静注で, 最高血中濃度は成熟児では34.6~72.7 mcg/ml (Mean±S. D. 50.4±11.3mcg/ml), 低出生体重児では22.3~78.2mcg/ml (Mean±S. D.
    55.5±16.5mcg/ml) を示した。半減期は成熟児では, 生後0~3日で1.7~20.7時間 (Mean±S. D.
    5.9±6.6時間), 生後4~25日で1.1~3.5時間 (Mean±S. D. 2.0±0.8時間), 低出生体重児では, 生後0~2日で3.4~10.2時間 (Mean±S. D. 7.2±2.7時間), 生後4~30日で1.4~
    5.5時間 (Mean±S. D. 3.0±1.5時間) と, 日齢の少ない程, 半減期が延長する傾向にあった。
    4. Mycoplasma hominisによる化膿性髄膜炎の症例において, 急性期にCMXの髄液中濃度を測定した。1回投与量80mg/kg, 30分点滴静注にて投与した結果, 髄液中濃度は7.7~15.5mcg/mlであり, 髄液血清比は9.0%, 11.7%を示した。
    5. 臨床分離株について, CMXのMICを測定した結果, 大腸菌 (3株), B群溶連菌 (2株) に対して, Cefotaximeとほぼ匹敵する優れた抗菌力を示した。しかし, 黄色ブドウ球菌 (1株) に対するMICは生菌量108cells/ml接種で25mcg/mlと悪くCefmetazoleより劣つていた。
  • 砂川 慶介, 石塚 祐吾, 秋田 博伸, 岩田 敏, 佐藤 吉壮
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2617-2626
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefmenoxime (CMX) の抗菌力, 新生児における体内動態, 臨床効果を検討し, 次の結果を得た。
    1. B群溶連菌39株に対するCMXのMICはいずれも0.05μg/ml以下であった。
    2. 新生児に20mg/kg静注した時の血中濃度は出生時体重2, 500g以上でピーク値は54.0~199μg/ml, 半減期は平均1.8時間であった。
    3.5例に治療目的, 4例に予防目的で本剤を投与したところ, いずれも有効以上の効果を示した。臨床検査値の異常として2例にGOT上昇, 2例に好酸球増加がみられた。
    4.2例で腸内細菌を検討したところ, CMX投与によって腸内細菌叢の形成は遅れるとの結果を得た。
    5.6例にVitamin K欠乏の有無を検討したところ, 2例でVitamin K欠乏をきたした。
  • 中澤 進, 佐藤 肇, 平間 裕一, 成田 章, 松本 貴美子, 中澤 進一, 鈴木 博之, 中西 好子, 近岡 秀次郎, 新納 憲司
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2627-2640
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新生児に対するCefmenoxime (CMX) 静注時の基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の成績を得ることができた。
    1. 10mg/kg, 30分, 1時間点滴静注時の血中濃度のPeakは点滴静注終了時の12.0~26.5μg/mlであり, 1時間後の濃度は8.62~26.3μg/ml, Tl/2は2.9~3.8時間であった。
    2. 20mg/kg, 30分, 1時間点滴静注時の血中濃度のPeakは終了時にあって40.8~74.3 μg/mlであった。1時間後の濃度は17.6~45.4μg/ml, T 1/2は0.8~2.7時間であった。同量 One shot静注時の血中濃度のPeakは投与直後61.7~90.6μg/mlであり, 1時間後の濃度は 22.3~48.2μg/ml, T 1/2は1.2~2.7時間であった。
    3. 10mg/kg, 20mg/kgの血中濃度を比較した場合, 新生児においても明らかなDose-response がみられた。
    4. 日齢1~2日児では6~8時間までの尿中回収率は2.6~47.7%, 5日児以降では17.6~ 72.4%の間のものが多かつた。
    5. 今回の治療対象となった新生児症例は12例であるが, 判定不能例の0日児の先天性梅毒, 56日児の急性気管支炎, 54日児の百日咳計3例を除外し, 9症例についての臨床成績は肺炎, 敗血症, 羊水吸引症候群, 胎内感染等の計9例全例に有効以上の治療効果が得られた。
    6. 1日量33~79mg/kg, 使用期間は4~13日間に及んでいるが, 注射前後の検査値の異常はなく, 又, 局所的, 全身的異常もみられなかった。
  • 岩井 直一, 柴田 元博, 溝口 文子, 中村 はるひ, 片山 道弘, 種田 陽一, 猪熊 和代, 尾崎 隆男, 市川 孝之, 松井 省治, ...
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2641-2659
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新生児領域におけるCefmenoxime (CMX) の基礎的, 臨床的検討を行つた。
    1. 新生児6例 (2~20日齢) と乳児5例 (36~107日齢) に本剤20mg/kgをOne shot 静注した際の血清中濃度と尿中排泄について検討した。
    新生児の血清中濃度のピークは静注後1/4時間にあり, その値は48.2~90.7μg/ml (平均 70.4±14.3μg/ml) で, その後は1.27~5.19時間 (平均2.28±1.56時間) の半減期をもつて推移し, 6時間値は3.6~16.9μg/ml (平均8.3±6.0μg/ml) であった。又, 乳児の1/4時間値は67.5~111.0μg/ml (平均95.5±18.0μg/ml) で, 半減期は0.64~0.94時間 (平均0.81 ±0.13時間), 6時間値は0.2~1.1μg/ml (平均0.7±0.4μg/ml) であった。なお, 新生児の平均血清中濃度のピーク値は乳児より低く, 年長児より高い傾向にあった。又, 新生児の血清中濃度推移の日齢による差異については, ピーク値は日齢の浅いものほど低い傾向にあり, 半減期は日齢と共に短縮し, 乳児期早期ではほぼ年長児に近い値を示すようになつた。
    一方, 静注後6時間までの尿中回収率は新生児では43.6~87.5% (平均61.6±14.6%), 乳児では52.1±90.8% (平均78.0±15.1%) であった。日齢の浅いものでも良好な尿中回収率を示し, 日齢が進むにつれて更に高くなる傾向がみられた。
    2. 新生児27例及び乳児4例に本剤を投与し, その際の臨床効果, 細菌学的効果, 副作用について検討した。
    臨床効果の判定対象となつた新生児19例 (化膿性髄膜炎1例, 敗血症疑い2例, 急性気管支炎1例, 急性肺炎12例, 膿痂疹1例, 臍周囲膿瘍1例, 急性腎盂腎炎1例) に対する臨床効果は著効14例, 有効4例, 無効1例で, 著効と有効を含めた有効率は94.7%であった。又, 乳児4例 (急性肺炎2例, 臍周囲膿瘍1例, 急性腎盂腎炎1例) に対する臨床効果は著効2例, 有効2例であり, 全例に有効以上の成績が得られた。
    細菌学的効果については, 新生児例から分離されたStaphylococcus aureus 1株, Escherichia coli 3株はいずれも消失, 乳児例から分離されたS. aureus 1株は存続, E. coli 1株は消失であった。
    副作用については, 臨床的には全く認められなかった。臨床検査値異常としては, 新生児例ではGOT, GPTの上昇が2例, GOTだけの上昇が4例, 乳児例ではGOTだけの上昇が2 例, 好酸球増多が1例に認められたが, いずれも軽度であつた。又, 追跡のできた5例ではすべて正常化が確認された。
  • 春田 恒和, 大倉 完悦, 山本 初実, 黒木 茂一, 山岡 幸司, 小林 裕
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2661-2671
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新生児期におけるCefmenoximeの体内動態及び臨床的有効性, 安全性を検討した。
    1. 日齢1~11日の未熟児3例に本剤約10mg/kgを1回静注時 (1群), 18, 32日の未熟児及び17日の成熟新生児各1例に約20mg/kgを1回静注時 (2群), 日齢15日の成熟児の髄膜炎1例に45.2mg/kgを1回静注時の血中濃度を測定した。静注30分後の血中濃度は1群43, 29, 27μg/ml, 2群46, 37, 44μg/ml, 45.2mg/kg静注例208μg/mlで, 用量依存性があると考えられ, 6時間では, 1群18.2, 6.6, 8.1μg/ml, 2群9.6, 11, 1.35μg/ml, 45.2mg/kg例5.2μg/ml, 半減期は1群4.59, 2.85, 3.48時間, 2群2.52, 2.73, 1.14時間, 45.2mg/kg例1.0時間であった。
    うち4例で尿中濃度を測定し, 6時間までに45.8%, 87.0%, 50.2%, 100%が回収されたが, 45.8%, 50.2%の2例は生下時体重が少ない未熟児であった。
    化膿性髄膜炎 (起炎菌Escherichia coliと推定) 1例に本剤48.3mg/kg静注後の髄液中濃度は, 静注後6時間での0.68μg/mlを除き, 80~90分の値は3.8, 1.72, 1.32μg/mlで, 回復と共に減少する傾向が認められた。
    2. 日齢0~24日の9例に本剤を投与した。治療に用いたのは7例, 10疾患でその内訳は化膿性髄膜炎1疾患 (起炎菌グラム陰性桿菌, E. coliと推定), 敗血症4疾患 (E. coli 1, Staphylococcus aureus 2, Streptococcus agalactiae 1), 尿路感染症3疾患 (E. coli, Serratia, Enterococcus faecalis各1), 化膿性耳下腺炎1疾患 (S. aureus), 肺炎1疾患 (不明) で, 化膿性髄膜炎, 敗血症, 尿路感染症では全例著効, 耳下腺炎と肺炎には有効であった。
    2例では感染予防のため本剤を投与し, 感染は起らなかった。
    3. 使用9例のうち, 本剤によると考えられる副作用は1例もなく, 臨床検査値で1例に一過性のGPT上昇をみただけであった。
    4. 以上の成績は本剤の新生児感染症に対する有用性を示唆するものと考えられた。
  • 本廣 孝, 川上 晃, 田中 耕一, 古賀 達彦, 島田 康, 冨田 尚文, 阪田 保隆, 藤本 保, 西山 亨, 久田 直樹, 富永 薫, ...
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2672-2691
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1~26生日の新生児, 未熟児23例に対しCefmenoxime (CMX) を10mg/kgか20mg/kg をOne shot静注で投与し, 投与6時間後までの血漿中濃度, 尿中濃度及び尿中回収率を測定し, 0生日から3カ月の新生児, 未熟児, 乳児の細菌感染症及び細菌感染症疑いと感染予防を目的として27症例に投与したが, 臨床効果と感染予防効果の判定できた症例は各々15, 7例で, それぞれの効果と細菌学的効果をみると共に副作用と症例によっては臨床検査値異常を検討したところ, 次のような結果を得た。
    1. 10mg/kgを投与した7例中生下時体重2, 500g未満の15~21生日, 22~28生日例, 生下時体重2, 500g以上の4~7生日, 8~14生日例における単独か平均での血漿中最高濃度はいずれも投与5分後で, 各々42.6μg/ml, 45.9μg/ml, 36.9μg/ml, 38.9μg/mlを示し, 著しい違いはなく, 1例が2峰性の濃度推移を示したが, その原因は不明であった。単独か平均での半減期は各々1.5時間, 1.6時間, 2.4時間, 1.9時間で, 生下時体重2, 500g以上の4~7生日例である5生日の1例が2.4時間で, 他の3日齢群より延長がみられた。
    2. 20mg/kgを投与した16例中生下時体重2, 500g未満の0~3生日, 8~14生日, 15~ 21生日例, 生下時体重2, 500g以上の8~14生日, 15~21生日例における平均血漿中最高濃度は生下時体重2, 500g未満例の3生日例で, 原因は不明であったが投与15分後に最高濃度を示したことも影響して, 0~3生日例は投与15分後が最も高い濃度で63.8μg/ml, 他の4群は各々68.1μg/ml, 59.4μg/ml, 109.9μg/ml, 79.7μg/mlで, 個々の例あるいは平均でみてもばらつきがあり, 3例が2峰性の濃度推移を示したが, その原因は不明であった。0~3生日例の平均半減期は生下時体重2, 500g未満の1生日例が6.0時間と著しく延長したことが影響して平均は4.0時間と最も延長し, 他の4群は各々1.9時間, 1.4時間, 1.5時間, 1.9時間であった。
    3. 10mg/kgを投与した7例の尿中濃度は投与後0~2, 2~4, 4~6時間のすべてかいずれかで測定でき, いずれも9.86~1, 245.0μg/ml域を示し, 生下時体重2, 500g未満の15~ 21生日, 22~28生日例, 生下時体重2, 500g以上の4~7生日, 8~14生日例の投与6時間後までの単独あるいは平均での回収率は各々56.7%, 64.6%, 36.7%, 73.5%で, 生下時体重 2, 500g以上の4~7生日は1例ではあったが他の3群より低率であった。
    4. 20mg/kgを投与した16例の尿中濃度は投与後0~2, 2~4, 4~6時間のすべてかいずれかで測定でき, いずれも70.1~3, 330.0μg/ml域を示し, 生下時体重2, 500g未満の0~3生日, 8~14生日, 15~21生日例, 生下時体重2, 500g以上の8~14生日, 15~21生日例の平均回収率は各々50.1%, 57.6%, 82.5%, 73.3%, 56.6%であったが, 各々の例でみた場合, 生下時体重2, 500g未満の1生日例が20.6%と最も低率であった。
    5. 種々の細菌感染症及び細菌感染症疑い例の15例に本剤を1日量平均87.5mg/kg, 1例が1日1回, 他の14例は分2か分4のOne shot静注で, 平均8日間投与しての臨床効果は有効率86.7%と良好で, 感染予防を目的として7例に本剤を1日量平均63.1mg/kg, 分2~4, One shot静注で平均6日間投与しての予防効果は全例に認められた。細菌学的効果はEscherichia coliが起炎菌であった尿路感染症のわずか1例だけに判定でき, E. coliは消失した。
    6. 臨床効果及び感染予防効果の判定できた22例と本剤を3日以上投与したが脱落症例であった4例を加えた26例で副作用の出現した例はなく, 臨床検査値ではGPT単独とGOT, GPTの同時異常上昇が各々1例に認められた。
  • 長 南薫, 福永 完吾, 國井 勝昭
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2692-2708
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    周産期におけるCefmenoxime (CMX) の臨床応用に関し基礎的並びに臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. CMXの妊婦投与後の吸収は速やかであり, 静注後短時間内に血清中濃度はピークに達した。
    経胎盤的胎児移行は良好で, 1回1gの静注で主な感染起因菌に対するMIC値に達する臍帯血清, 羊水中濃度が得られた。又, 母体投与後出生した新生児の血清中CMX濃度の消長を追跡し, 臍帯血清中濃度に相応した濃度を認め, 緩徐に減少することを認めた。この成績から, CMXは1回1g1日2回の静脈内投与で, 周産期感染症の治療又は予防が可能である。
    2. 周産期感染症の治療及び子宮内羊水感染の予防にCMXの投与を行い, 臨床効果を認め, 副作用は少なかった。
    3. CMXを投与された母体から出産した新生児は諸検査において異常が認められなかった。
    4. CMXの母乳移行は少量で, 母乳を通じての新生児への移行は微量とみられる。
    以上の諸成績から, 周産期におけるCMXの臨床的有用性が示唆された。
  • 藤田 晃三, 室野 晃一, 坂田 宏, 吉岡 一
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2709-2713
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新生児・乳児の4例にCefsulodin 1回量20~25mg/kgを1日4回投与し, その臨床効果と副作用, 及び薬物動態を検討した。
    中枢神経系合併症があり化膿性髄膜炎を合併した2例では有効であったが, 先天性心疾患に気管支炎, 肺炎を合併した症例ではGentamicinを併用したこともあり, 効果判定は不明であった。副作用では1例に好酸球増多を認めただけであった。
    4例の患者の臨床材料から分離された緑膿菌 (Pseudomonas aeruginosa) に対する本剤の最小発育阻止濃度 (MIC) は, 106CFU/mlの菌接種で1株には1.56μg/ml, 残り3株には12.5μg/ mlであった。
    生後1カ月と4日及び4カ月と10日の2例について25.3mg/kgと20.9mg/kgのBolus intravenous injection後の血清中濃度の時間的推移では, 投与後30分で36.4μg/mlと33.4μg/ ml, 投与後6時間で5.1μg/mlと3.2μg/mlであった。血清中半減期, 身体クリアランス及び分布容量はそれぞれ1.89時間と1.69時間, 3.16ml/min/kgと3.76ml/min/kg及び519.0 ml/kgと551.2ml/kgであった。
  • 岩田 敏, 佐藤 吉壮, 東條 雅宏, 楠本 裕, 城 裕之, 秋田 博伸, 南里 清一郎, 老川 忠雄, 小佐野 満, 草野 正一, 砂川 ...
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2714-2719
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefsulodin (CFS) の新生児領域における基礎的・臨床的検討を行い, 以下のような結果を得た。
    1. 当教室保有のPseudomonas aemginosaのうち, 新生児由来の臨床分離株7株につき, CFS, Sulbenicillin, Gentamicin (GM) のMICを測定した結果, CFSはGMとほぼ同等の良好な抗菌力を示した。
    2. 日齢12日の新生児1例にCFS20mg/kg, One shot静注した際の血清中濃度は投与前値8.7μg/ml, 投与後30分値51.7μg/ml, 1時間値44.4μg/ml, 2時間値38.6μg/ml, 6時間値11.1μg/mlで, 半減期は2.5時間であった。
    3. 緑膿菌感染症の新生児3例にCFSを単独もしくは併用投与したところ, 臨床的に2例が有効, 1例がやや有効であった。細菌学的には1例が減少, 1例が菌交代, 1例が不変であった。
    4. CFSが原因と考えられる副作用及び臨床検査値の異常は認められなかった。
  • 本廣 孝, 荒巻 雅史, 川上 晃, 田中 耕一, 古賀 達彦, 島田 康, 冨田 尚文, 阪田 保隆, 藤本 保, 西山 亨, 久田 直樹 ...
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2720-2734
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1~28生日の新生児, 未熟児14例に対し, Cefsulodinを20mg/kg, One shot静注で投与し, 投与6時間後までの血漿中濃度, 尿中濃度及び尿中回収率を測定し, 感染予防の目的として2~16生日の3例に本剤を1日量平均52.8mg/kg, 分2~3, One shot静注で, 平均 7日間投与し, 感染予防効果をみると共に副作用と臨床検査値異常を検討したところ, 次のような結果を得た。
    1. 生下時体重2, 500g以上の9例における血漿中最高濃度は投与5分後が6例, 15分後が2例, 1時間後が1例で, 全例が35.8~60.6μg/ml域にあり, 以後漸減か2峰性の濃度推移を示して漸減し, 投与15分後あるいは1時間後に最も高い濃度を示した3例と2峰性の濃度推移を示した3例の原因は不明であった。濃度曲線下面積 (AUC) では日齢の若い例ほど大の傾向にあり, 半減期も日齢が若い例が長い傾向を示し, いずれの例も一般の小児における同量One shot静注時の半減期より延長した。
    2. 生下時体重2,500g未満の5例における血漿中最高濃度は7生日以内の測定例はなかったが投与5分が4例, 15分後が1例で, 全例が41.5~56.0μg/ml域にあり, 以後漸減か 2峰性の濃度推移を示して漸減し, 投与15分後に最も高い濃度を示した1例と2峰性の濃度推移を示した2例の原因は不明であった。AUCでは生下時体重2,500g以上群と同じく日齢が若い例ほど大の傾向にあり, 半減期も生下時体重2,500g以上群と同じく日齢が若い例ほど長い傾向を示し, いずれの例も一般の小児における同量One shot静注時の半減期より延長した。
    3. 生下時体重2,500g以上の9例における尿中濃度は投与後0~2, 2~4, 4~6時間のすべてかいずれかの時間に測定でき120.0~1, 890.0μg/ml域, 生下時体重2,500g未満の5例はいずれの時間帯でも測定でき65.1~619.0μg/ml域を示した。
    4. 生下時体重2, 500g以上群の3生日以内, 4~7, 8~14, 15~21, 22~28生日例の投与 6時間後までの単独あるいは平均での尿中回収率は各々29.7%, 46.2%, 45.6%, 49.2%, 55.5%で, 3生日以内例はわずか1例ではあったが, 他の日齢群より低率で, 生下時体重2,500g未満群では7生日以内例はなかったが, 8~14, 15~21, 22~28生日例の投与6時間後までの単独あるいは平均での尿中回収率は各々40.7%, 48.9%, 29.9%で, 22~28生日例が他の日齢群より低率であったが, その原因は不明であり, 生下時体重2, 500g以上群の3生日以内例と生下時体重2, 500g未満群の22~28生日例は一般の小児における同量One shot 静注時の回収率と比較しても低率であつた。
    5. 感染予防の目的で3例に本剤を投与したところ, その予防効果は1例に認められ有効, 他の2例は不明であった。
    6. 感染予防の目的で投与した3例では副作用の出現はなく, 臨床検査値の異常例もなかつた。
  • 長 南薫, 福永 完吾, 國井 勝昭
    1989 年 42 巻 12 号 p. 2735-2743
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    周産期におけるCefsulodin (CFS) の臨床応用に関し薬物動態学的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. CFSの妊産婦投与後の吸収は速やかであり, 静脈内投与で短時間内に血清中濃度はピークレベルに達し, 1gと2g投与との間にはDose responseが認められた。経胎盤的胎児移行は良好で1回1~2gの静脈内投与で緑膿菌の臨床分離株に対するMIC値に達する臍帯血清中, 羊水中濃度が得られた。従つて, CFSは1回1~2gの静脈内投与で, 周産期緑膿菌感染症の治療又は予防が可能である。
    2. CFSの投与された母体から出産した新生児は諸検査において異常が認められなかった。
    3. CFSの母乳移行は微量で, 母乳から新生児への移行は極微量とみられる。
    以上の諸成績から, 周産期におけるCFSの臨床的有用性が示唆された。
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