1989 年 42 巻 12 号 p. 2709-2713
新生児・乳児の4例にCefsulodin 1回量20~25mg/kgを1日4回投与し, その臨床効果と副作用, 及び薬物動態を検討した。
中枢神経系合併症があり化膿性髄膜炎を合併した2例では有効であったが, 先天性心疾患に気管支炎, 肺炎を合併した症例ではGentamicinを併用したこともあり, 効果判定は不明であった。副作用では1例に好酸球増多を認めただけであった。
4例の患者の臨床材料から分離された緑膿菌 (Pseudomonas aeruginosa) に対する本剤の最小発育阻止濃度 (MIC) は, 106CFU/mlの菌接種で1株には1.56μg/ml, 残り3株には12.5μg/ mlであった。
生後1カ月と4日及び4カ月と10日の2例について25.3mg/kgと20.9mg/kgのBolus intravenous injection後の血清中濃度の時間的推移では, 投与後30分で36.4μg/mlと33.4μg/ ml, 投与後6時間で5.1μg/mlと3.2μg/mlであった。血清中半減期, 身体クリアランス及び分布容量はそれぞれ1.89時間と1.69時間, 3.16ml/min/kgと3.76ml/min/kg及び519.0 ml/kgと551.2ml/kgであった。