The Japanese Journal of Antibiotics
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T-3262の培養細胞に対する細胞毒性試験
米田 豊昭中村 昌三能島 康幸西尾 由美子
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1989 年 42 巻 4 号 p. 791-799

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抄録

T-3262の培養細胞に対する細胞毒性をV79細胞を用いて検討し, 以下の結果を得た。
1. T-3262の48時間処理での細胞増殖50%抑制濃度は12μg/mlであり, 類縁薬剤であるEnoxacin (ENX) の44μg/ml, Norfloxacin (NFLX) の105μg/ml, Ofloxacin (OFLX) の145μg/mlと比較すると強い増殖抑制作用を示した。
2. T-3262の40μg/ml, 48時間処理でも細胞の絶対数は増加しており, 又, トリパンブルーでの細胞の生死判定では, この条件下でも細胞は生存していた。
3. T-3262の40μg/ml, 48時間処理後の細胞は細胞質が萎縮して球状を示し, 細胞分裂像は減少した。NFLX, OFLXの400μg/ml, 48時間処理でも同様の変化が観察された。
4. T-3262の32μg/ml, 48時間処理後, 検体を除去し経過をみたところ, 細胞数は増加し, 正常な形態にもどつた。ENX120μg/ml, 48時間処理でも同様であったが, Fluorouracil, Mitomycin C処理細胞は回復しなかつた。

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