The Japanese Journal of Antibiotics
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臨床分離菌株のAztreonamに対する感受性
永沢 善三西村 忠隆南雲 文夫植田 寛只野 寿太郎加藤 収山田 穂積
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1989 年 42 巻 6 号 p. 1257-1270

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抄録

佐賀医科大学附属病院検査部では, 1984年9月から日常の薬剤感受性試験に日本化学療法学会標準法の寒天平板希釈法1) と相関性の高い2~4) 微量液体希釈法であるMIC-2000システムを使用し, 各種臨床材料から得られる病原性の高い菌種に対するMIC値をルーチン検査で測定している。今回, 我々は1987年5月から1988年3月までの10カ月間の成績をもとに, Aztreonam (AZT) の抗菌力の解析を行い, 以下の成績を得た。
1. AZTはEscherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus sp., Haemophilus influenzaeに対しMIC80で0.20μg/ml以下と優れた抗菌力が認められた。
2. Enterobacter aerogenes, Enterobacter cloacae, Citrobacter freundii, Serratia marcescensでは, 比較したセフェム系抗生物質と比べるとAZTの抗菌力は優れていたが, 他剤と同様に感受性株と耐性株の2峰性分布を示した。
3. AZTはPseudomonas aeruginosaに対し, MIC5012.5μg/ml, MIC8025μg/mlとその抗菌力は弱かつた。
4. Acinetobacter sp., Xanthomonas maltophiliaについては, AZTの抗菌力は認められなかつた。

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