The Japanese Journal of Antibiotics
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Aztreonamの薬物動態と投与計画に関する解析
川崎 平八郎
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1989 年 42 巻 6 号 p. 1271-1278

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抄録

Aztreonam (以下AZTと略す) はグラム陰性菌に対し優れた抗菌力を有するMonobactam系の抗生物質である。1984年来, 小児科領域においてもその基礎的, 臨床的評価が報告されている。我々は小児の感染症患者を対象にAZTの点滴静注による治療を行い良好な成績を納めたが, その際, 測定した血中濃度から薬物動力学的解析を行つた。これらのパラメータを基礎にして, Computerの支援の基に, 更に適切なAZTの投与量, 投与時間を解析した。
AZTの薬物動態の各々の平均値 (n=9) は次のとおりであつた。すなわち, 消失速度定数Kel=0.67±0.15hr-1, 分布容積Vd=4.29±1.66L, 生体内半減期T1/2=1.08±0.23時間であり, クリアランスCl=0.17±0.12L/kg/hrであつた。
次に, これらの指標に基づいてAZTの投与量を検討した結果, 小児では, 80~130mg/kg/日の投与量で, ほとんどの感染症に対して十分に有効な血中濃度が得られることを述べた。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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