The Japanese Journal of Antibiotics
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ISSN-L : 0368-2781
小児科領域における新Cephem系製剤Cefodizimeに関する研究
佐藤 肇成田 章松本 貴美子中澤 進一鈴木 博之中西 好子新納 憲司中澤 進
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1989 年 42 巻 6 号 p. 1306-1321

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抄録

新しい注射用Cepbem系抗生物質Cefodizimeについて, 基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
1. 血清中濃度及び尿中排泄については, 10mg/kg (1例), 20mg/kg (4例), 40mg/kg (1例) 60分点滴静注を行い検討した。
血清中濃度のピーク値は1時間値で10mg/kgでは66.3μg/ml, 20mg/kgでは平均118.1μg/ml, 40mg/kgでは259.2μg/mlであり, Dose responseがみられた。T1/2 (β相) は1.17~1.69時間であつた。
尿中回収率は0~8時間までに71.5~98.0%であつた。
2. 髄液中濃度は化膿性髄膜炎児に433mg静注時の投与後15分の血清中濃度は380.67μg/ml, 髄液中濃度0.76μg/mlであつた。
3. 臨床効果では化膿性髄膜炎1例, 呼吸器感染症10例, 百日咳3例, 尿路感染症5例, 化膿性軟部組織感染症1例, 左急性甲状腺炎1例の計21例に対して有効率95.2%であつた。
副作用として1例に下痢, 臨床検査値異常例としてGOT・GPT及びGOTの軽度上昇が各々1例ずつ認められたが, その他異常所見は認められなかつた。

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