1989 年 42 巻 8 号 p. 1727-1734
小児の呼吸器感染症, 尿路感染症及び皮膚感染症26例にCefteram pivoxil (CFTM-PI) の細粒を投与し臨床効果と副作用を, 又, 9例において薬物動態を検討した。
1. 有効率は92.3%であったが, 原因菌が判明したものに限ると95.7%であった。細菌学的効果では100%の除菌率であった。
2. 重篤な副作用は認めず, 検査値の異常としてGOT, GPTの増加が1例, GOTの増加が1例にみられた。
3. 空腹時投与における最高血清中濃度は投与後1~2時間にあり, 1.5mg/kg投与で平均0.99μg/ml, 3mg/kg投与で平均1.25μg/ml, 6mg/kg投与で平均1.17μg/mlであった。血清中半減期は0.5時間から1.0時間であったが, 3時間を越えるものもみられた。
4. 投与後8時間までの尿中回収率は1.5mg//kg投与で平均11.8%, 3mg/kg投与で平均18.4%, 6mg/kg投与で平均7.5%であった。