The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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42 巻, 8 号
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  • 田中 一正, 鈴木 一, 清水 晋, 大塚 英彦, 高木 啓, 秋沢 孝則, 成島 道昭, 戸野 塚博, 金重 博司, 中神 和清, 野口 ...
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1705-1712
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我々は入院18例, 外来13例計31例の呼吸器感染症症例に1日300~600mgのOfloxacin (OFLX) の経口投与を行いその臨床効果につき検討を行った。
    1.31例における臨床効果は83.9%と良好であった。
    2. 症例中Pseudomonas aeruginosaを6例に検出し, その有効率は50%であった。
    3. 昭和60年度と昭和62年度に当院で喀痰検査から分離されたP. aeruginosa臨床分離 株で行ったOFLX, Gentamicin (GM), Imipenem (IPM) に対する感受性試験で昭和60年度それぞれ100%であった感受性株は, 昭和62年度の分離株ではOFLX 57.1%, GM 85.7%, IPM 100%とOFLXに対する耐性化頻度が高かった。
  • 大野 竜三, 堀田 知光, 小椋 美知則, 大西 一功, 森下 剛久, 村手 隆, 奥村 雅男, 谷本 光音, 井上 千加子, 濱口 元洋, ...
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1713-1719
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    造血器疾患に合併した重症感染症に対してSulbactam/Cefoperazone (SBT/CPZ) 単独又は他の抗菌剤との併用による治療を試み, 有効性及び安全性の検討を行った。評価可能症例90例において著効23例, 有効30例で有効率は58.9%であった。SBT/CPZは造血器疾患に合併する感染症に対して他のセフェム系抗生物質の成績と比較しても劣らない高い有効性が確認された。又, 比較的大量投与によつても安全性が高いことから造血器疾患に合併した重症感染症に対してSBT/CPZは有用な薬剤であると考えられた。
  • 中川 均, 津田 昌一郎, 田中 新司, 西垣 光, 奥田 司, 堀池 重夫, 谷脇 雅史, 三澤 信一, 瀧野 辰郎, 彌重 博巳, 藤井 ...
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1720-1726
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    白血病をはじめとする各種血液疾患に合併した感染症に対して, Cefpiramideの投与を行い, その有用性及び安全性について検討を行った。
    1. 評価対象の26例中16例で有効との結果を得, 有効率は61.5%であつた。敗血症疑い例に対しても61.1% (11例/18例) の有効率を示した。
    2. 副作用は31例中1例に出血傾向を認めたが, 薬剤の中止及びVitaminKの補充等の処置により, 速やかに回復を認めた。
  • 坂田 宏, 梯 仁志, 藤田 晃三, 吉岡 一, 井関 憲一, 室野 晃一, 高橋 庸二
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1727-1734
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児の呼吸器感染症, 尿路感染症及び皮膚感染症26例にCefteram pivoxil (CFTM-PI) の細粒を投与し臨床効果と副作用を, 又, 9例において薬物動態を検討した。
    1. 有効率は92.3%であったが, 原因菌が判明したものに限ると95.7%であった。細菌学的効果では100%の除菌率であった。
    2. 重篤な副作用は認めず, 検査値の異常としてGOT, GPTの増加が1例, GOTの増加が1例にみられた。
    3. 空腹時投与における最高血清中濃度は投与後1~2時間にあり, 1.5mg/kg投与で平均0.99μg/ml, 3mg/kg投与で平均1.25μg/ml, 6mg/kg投与で平均1.17μg/mlであった。血清中半減期は0.5時間から1.0時間であったが, 3時間を越えるものもみられた。
    4. 投与後8時間までの尿中回収率は1.5mg//kg投与で平均11.8%, 3mg/kg投与で平均18.4%, 6mg/kg投与で平均7.5%であった。
  • 我妻 義則, 高瀬 愛子, 福島 直樹, 石川 丹, 高橋 聡
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1735-1744
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefteram pivoxil (CFTM-PI) 細粒を試用した結果, 次の成績を得た。小児の感染症治療に有用な薬剤であると考えられる。
    1.9~15歳の7例 (男児5例, 女児2例) において本剤の吸収, 排泄の検討を行った。
    (1) 3mg/kg/dose空腹時内服した2例では, 最高血清中濃度は内服後2時間でそれぞれ0.66μg/ml, 0.53μg/mlであり, T1/2は1.4, 1.32時間であった。又, この2例での8時間の尿中排泄率はそれぞれ5.8%, 10.8%と比較的低かった。
    (2) 6mg/kg/dose空腹時内服の1例での血清中濃度のピークは内服後2時間にあって, 3.0μg/mlであった。T1/2は2.16時間と計算された。尿中排泄率は8時間で13.8%であった。
    6mg/kg/dose食後内服の2例では血清中濃度のピークは内服後4時間にあって, それぞれ5.8μg/ml, 2.5μg/mlであり, M. N. 例でのT1/2は1.93時間であった。又, 8時間における尿中回収率は27%, 14.4%であった。
    (3) 150mgの錠剤を食後に内服した2例においては血清中濃度のピークは2時間と4時間にあってそれぞれ1.7μg/ml, 1.6μg/mlであり, T. T. 例のT1/2は1.38時間と計算された。8時間の尿中排泄率はそれぞれ24.1%, 15.5%であった。
    2. 臨床治療成績
    外来, 入院患児18例にCFTM-PI細粒を投与して次の成績を得た。
    (1)3カ月から12歳に至る12例 (男児6例, 女児6例) に10mg/kg/日, 分3で投与した。
    気管支肺炎1例やや有効, 気管支炎3例有効, 扁桃腺炎, 咽頭炎4例有効, 猩紅熱1例著効, 1例有効, 尿路感染症2例中1例で有効, 1例無効であった。
    (2) 6歳と7歳の6例 (男児4例, 女児2例) に20mg/kg/日, 分3で投与した。気管支肺炎1例有効, 気管支炎2例有効, 咽頭炎, 扁桃腺炎3例有効の成績を得た。
    (3) 分離菌Haemophilus influenzae 4株中4株は消失, Streptococcus pyogenes 4株中1株は細菌学的効果不明で3株は消失し, Escherichia coli 1株は消失, 尿路感染症からKlbsiella pneumoniaeの1株は不変であった。
    3. 本剤の内服を拒否した症例は1例もなかった。副作用は認めるべきものがなかった。
  • 横山 碓, 米坂 勧, 青山 隆蔵, 須藤 善雅
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1745-1750
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    今回, 新しく開発された経口用Cephem系抗生物質であるCefteram pivoxilを各種小児感染症16例に使用し, 下記の結果を得た。
    1. 臨床効果は著効7例, 有効5例, やや有効3例, 無効1例で有効率75.0%であった。
    2. 副作用及び臨床検査の異常は全く認められなかつた。
  • 鈴木 吾朗, 渡辺 章
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1751-1760
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新経口エステル型セフェム系抗生物質Cefteram pivoxil(CFTM-PI, T-2588)細粒の小児における吸収, 排泄並びに小児感染症に対する臨床使用成績を検討し, 以下の結論を得た。
    1. 3mg/kg投与群4例, 6mg/kg投与群2例の6例について, 食後経口投与後の平均血清中濃度は両群とも投与後3~4時間にピークを認め, Dose dependentであった。0~8時間の尿中回収率は両群それぞれ29.7%であった。
    2. 1回量3mg/kgを1日3回投与27例, 6mg/kg投与11例の計38例について臨床効果を検討した結果, 著効18例, 有効19例, やや有効1例で, 有効率97.4%であった。
    3. 細菌学的には5菌種24株の起炎菌を分離し, 消失率は81.8%であった。特にStreptococcus pyogenes, Streptococcus pneumoniae, Haemophilus influenzaeに対しては優れた抗菌力を示した。
    4. 副作用及び臨床検査値異常は, 2例で軽度下痢, 1例でGOT, GPT上昇, 1例で好酸球増多を認めたが, いずれも軽微であった。
    5. 以上の成績から, 本剤は小児科領域の細菌感染症に対して, 有効且つ安全な新経口抗生物質であると考えられた。
  • 岩田 敏, 山田 健一朗, 金 慶彰, 横田 隆夫, 楠本 裕, 佐藤 吉壮, 秋田 博伸, 南里 清一郎, 老川 忠雄, 砂川 慶介, 市 ...
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1761-1779
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい経口用エステル型セフェム系抗生物質であるCefteram pivoxil(CFTM-PI)について, 4種感染マウス及び小児臨床例の腸内細菌叢に及ぼす影響を検討した。Escherichia coli, Enterococcus faecalis, Bacteroides fragilis, Bifidobacterium breveの4菌種を腸管内に定着させた4種感染マウスに, CFTM-PI細粒10mg/kgを1日1回, 連続5日間経口投与した結果, 糞便中の生菌数は, E. coliが投与開始後2~5日目に軽度の減少傾向を示した以外, 大きな変動は認められなかった。小児臨床例における検討は, 感染症の小児5例(男児3例, 女児2例, 年齢6カ月~10歳4カ月, 体重3.5~28.0kg)に対し, CFTM-PI細粒1回3.0~3.8mg/kgを1日3回, 5~11日間経口投与して行った。CFTM-PI投与中の糞便中細菌叢の変動は症例により若干のばらつきが認められたが, Enterobacteriaceaeの減少傾向とEnterococciの増加傾向が認められたものの, ほとんどの症例ではその他の主要な好気性菌及び嫌気性菌にあまり大きな変動は認められなかった。又, ブドウ糖非発酵性グラム陰性桿菌や真菌が優勢菌種となる症例も認められなかった。10歳4カ月の男児例では糞便中にCFTM-PIの活性型であるCFTMが72.20μg/g検出され, 嫌気性菌総数の著明な減少が認められた。糞便中薬剤濃度はCFTM-PIが4例で, CFTMが2例で検出され, その濃度はそれぞれ1.50~89.65μg/g及び2.25~72.20μg/gであった。糞便中β-Lactamase活性は全例で陽性を示した。以上から, CFTM-PIは腸内細菌叢に及ぼす影響の比較的少ない薬剤と考えられるが, 症例によっては薬剤が糞便中に比較的高濃度に検出される場合もあるので注意が必要である。
  • 佐藤 吉壮, 石川 和夫, 岩田 敏, 秋田 博伸, 砂川 慶介
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1780-1790
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefteram pivoxil細粒 (CFTM-PI, T-2588) の臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. 小児細菌感染症39例に対してCFTM-PIを使用し, 著効16例, 有効21例, やや有効1例, 無効1例であり, 有効率は94.9%と高い値を示した。
    2. 起因菌と思われる39株に対する細菌学的効果では, グラム陽性球菌17株での消失率は 94.1%, グラム陰性桿菌22株での消失率は90.9%であつた。
    3. 副作用として, 下痢が2例に, 下痢, 腹痛が1例に, 発疹, 浮腫が1例に認められ, 出現率は全体で8.7%であつた。検査値異常は好酸球増加が1例に認められた。以上の結果から, 本薬剤は小児科領域において有効性, 安全性の高い薬剤であると考えられる。
  • 中里 明彦, 藤野 玲子, 前田 和一
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1791-1797
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefteram pivoxil (CFTM-PI, T-2588)細粒を小児急性細菌感染症23例(急性扁桃炎6例, 急性気管支炎8例, 狸紅熱2例, 気管支肺炎4例, 急性中耳炎及び副鼻腔炎1例, 尿路感染症2例)に使用した結果, 臨床的に著効8例, 有効14例, 無効1例と判定され, 有効率は95.7%であった。副作用は下痢1例であり, 臨床検査値の異常は認められなかった。CFTM-PI細粒は, 軽度から中等度の小児急性細菌感染症に対して十分な効果を期待し得る抗生剤と思われる。
  • 豊永 義清, 今井 祐之, 杉田 守正, 福島 よし子, 山崎 美喜雄, 堀 誠
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1799-1814
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新経口用セファロスポリン系抗生物質であるCefteram pivoxil (CFTM-PI, T-2588)(10%細粒) について基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    1.抗菌力
    臨床分離のStaphylococcus aureus及びStreptococcus pyogenesに対するMICを106cell/ml接種時にて, CFTM, Cefaclor (CCL), Cephalexin (CEX) 及びAmpicillin (ABPC) について検討した。CFTMのS. aureusに対するMIC分布は0.78~12.5μg/mlにわたり, そのMICピークは3.13μg/mlで, CEX, CCLとほぼ同様の分布であった。 S. pyogenesに対しては, CFTMは全株を≤0.025 μg/mlで発育を阻止し得, ABPCと同様で, CCL, CEXより2~3管優れた抗菌力を示した。
    2.吸収, 排泄
    今回, CFTM-PI 3mg/kg (食後投与), 6mg/kg (食前, 食後投与) について, CFTMの血清中, 尿中濃度推移を検討した。 食後投与群では, 3mg/kg, 6mg/kgはそれぞれ1~2, 2~3時間に血清中濃度ピークを示し, それぞれ1.15~2.3μg/ml, 1.8~3.6μg/mlを示し, その後, 緩やかに漸減し, 6時間では0.125~0.78μg/ml, 0.245~0.97μg/mlであり, 両群の問では, Dose responseが認められた。 半減期は3mg/kg投与では1.03~2.65時間, 6mg/kg投与では1.07~1.83時間であった。 食前投与は6mg/kgについて行ったが, 食後投与群よりも濃度ピークが低く, 1.73μg/mlであり, 6時間値は1.13μg/mlであった。 食後投与は2~3時間にピーク値に達すると思われるが, 食前投与では2時間にピーク値に達した。 尿中回収率は各投与群とも6時間までについて検討を加えたが, 5.3~19.2%と低い傾向であった。
    3. 臨床成績
    本剤を呼吸器感染症30例 (急性肺炎9例, 急性気管支炎10例, 扁桃炎11例), 尿路感染症7例, その他, 猩紅熱3例, 中耳炎1例の計41例に使用した結果, 有効以上の成績を得たものは40例で, その有効率は97.6%であった。 又, 細菌学的には, 本剤投与前に検出された起因菌あるいは原因菌の経過を追い, 検索が可能であったものは28株で, すべて除菌し得た。 副作用としては, 臨床的に問題は認めなかつたが, 検査値異常として, 血小板増多, 好酸球増多, 及びGOP・GPTの上昇の3例が認められた。
  • 目黒 英典, 有益 修, 田島 剛, 白石 裕昭, 小林 正明, 阿部 敏明
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1815-1827
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    53例の小児急性細菌感染症にCefteram pivoxil (CFTM-PI, T-2588) を8.3~21.8mg/kg, 分3で投与し, 98.1%の有効率であった。 咽頭炎, 中耳炎, 気管気管支炎, 肺炎, 皮膚感染症などで優れた効果が得られた。
    Haemophilus influenzae, Streptococcus pyogenes, Streptococcus pneumoniaeに対する抗菌力は非常によく, Staphylococcus aureus に対してもCephalexin並の抗菌力を有していた。 副作用も特記すべきものはなく, 小児の急性細菌感染症の治療に有用な薬剤の一つであると思われた。
  • 廣澤 浩, 石川 尉子, 高橋 慎太郎, 松田 博雄, 市橋 治雄
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1828-1836
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新セファロスポリン系抗生物質Cefteram pivoxilの小児科領域における有用性を検討した。
    1.症例数は31例, 年齢は8カ月~8歳7カ月にわたり, 男児20例, 女児11例であった。
    2.1回投与量は3.0~4.2mg/kgでlB3回の経口投与とし, 総投与量は27.3~130.0mg/kgにわたつた。 投与期間は3~13日間であった。
    3.疾患別症例数は急性咽頭炎11例, 急性鼻咽頭炎1例, 急性扁桃炎6例, 急性気管支炎9例, 猩紅熱2例, 化膿性耳下腺炎, 化膿性頸部リンパ節炎各1例ずっであった。
    4.臨床効果は著効14例, 有効13例, やや有効正例, 無効3例で87.1%の有効率であつた。
    5.細菌学的効果は起炎菌と推定された29株のうち消失23株, 不変2株, 不明4株で92.0%の除菌率であった。
    6.本剤投与中及び投与中止後に副作用や臨床検査値異常をみたものはなかった。 又, 服薬拒否例もなかった。
    本剤は小児科領域感染症に対する有効性, 安全性が高く, 有用性の高い薬剤であると思われた。
  • 篠崎 立彦, 野中 千鶴, 戸賀崎 久美
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1837-1843
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    急性熱性上・下気道炎37例, 尿路感染症3例にCefteram pivoxil (CFTM-PDが10mg/kg/日, 分3で投与された。
    臨床効果は全例が有効であった。
    細菌学的効果では, 急性気道炎37例から43株の病原菌が分離され, 効果判定が可能であった40株中24株 (60.0%) がCFTM-PI投与によって消失した。 Staophylococcus aureusの分離株9株では, 2株 (22.2%)だけがCFTM-PI投与後に消失したにすぎなかつた. 尿路感染症3例では2例 (66.7%) でCFTM-PI投与後にEscherichia coliが尿中から消失した。
    副作用としては40例中4例 (10%) に軽度の下痢症状がみられた。 CFTM-PI投与によるものかどうか明確でなかった。
  • 藤田 昌宏, 神田 忠泰, 永山 恵美子
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1845-1848
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefteram pivoxil (CFTM-PI, T-2588) の吸収排泄を1例で検討し, ほぼ成人に近い値を得た。
    小児急性感染症16例にCFTM-PIを投与したが, いずれにも有効以上の臨床効果を得た。 細菌学的に検討し得た急性上気道炎5例,(Streptococcus pyogenes2例, Haemophilus influenzae 3例) 及び急性尿路感染症1例 (Escherichia coli) のすべてが除菌効果を示した。
    臨床検査を行い得た4例を含め, すべての例において明らかな副作用は認められなかった。
  • 早川 文雄, 久野 邦義, 小川 昭正, 中尾 吉邦, 竹内 秀俊, 安藤 嘉浩, 鬼頭 修
    1989 年 42 巻 8 号 p. 1849-1859
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい経口用エステル型セフェム系抗生物質であるCefteram pivoxil (CFTM-PI, T-2588) の細粒製剤につき小児科領域における基礎的, 臨床的検討を行い以下の結果を得た。
    1. 本剤を3mg/kg 2例, 6mg/kg 2例の計4例に朝食後30分に投与し, その後のCFTMの血清中濃度, 尿中濃度, 尿中回収率につき検討した。血清中濃度のピークは投与後3時間に2例, 4時間に2例認められ, 0.74~2.2μg/mlであった。半減期は0.77~3.62時間に分布した。投与後の0~8時間までの尿中回収率は9.6~23.0%であった。
    2. Streptococcus pyogenes, Streptococcus pneumoniae, Staphylococcus aureus, Haemophilus influenzae, Haemophilus parainfluenzae, Branhamella catarrhalis, Escherichia coli等の当科臨床分離株に対するMICをCefaclor, Cephalexin, Ampicillinと比較した。その結果どの菌種においても3剤と同等かそれ以上に優れた成績であった。
    3. 26例の小児各種感染症 (猩紅熱3例, 扁桃炎7例, 喉頭蓋炎1例, 気管支炎5例, 肺炎5例, 尿路感染症3例, 頸部リンパ節炎2例) に, 本剤9.3~15.3mg/kg/日を原則的に1日3回に分け食後投与した。臨床的には100%の有効率, 細菌学的には70%の除菌率であった。
    4. 臨床的副作用は1例も認められず, 検査値異常としては1例 (3.8%) に血小板増多が認められただけであった。
    5. 本剤の服用を拒否する児はみられなかった。
  • 1989 年 42 巻 8 号 p. 1860-1862
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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