The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCefteram pivoxil細粒の基礎的, 臨床的検討
鈴木 吾朗渡辺 章
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1989 年 42 巻 8 号 p. 1751-1760

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抄録

新経口エステル型セフェム系抗生物質Cefteram pivoxil(CFTM-PI, T-2588)細粒の小児における吸収, 排泄並びに小児感染症に対する臨床使用成績を検討し, 以下の結論を得た。
1. 3mg/kg投与群4例, 6mg/kg投与群2例の6例について, 食後経口投与後の平均血清中濃度は両群とも投与後3~4時間にピークを認め, Dose dependentであった。0~8時間の尿中回収率は両群それぞれ29.7%であった。
2. 1回量3mg/kgを1日3回投与27例, 6mg/kg投与11例の計38例について臨床効果を検討した結果, 著効18例, 有効19例, やや有効1例で, 有効率97.4%であった。
3. 細菌学的には5菌種24株の起炎菌を分離し, 消失率は81.8%であった。特にStreptococcus pyogenes, Streptococcus pneumoniae, Haemophilus influenzaeに対しては優れた抗菌力を示した。
4. 副作用及び臨床検査値異常は, 2例で軽度下痢, 1例でGOT, GPT上昇, 1例で好酸球増多を認めたが, いずれも軽微であった。
5. 以上の成績から, 本剤は小児科領域の細菌感染症に対して, 有効且つ安全な新経口抗生物質であると考えられた。

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