1989 年 42 巻 9 号 p. 1948-1962
富山化学工業 (株) 綜合研究所で開発された新経口用エステル型Cephem系抗生物質Cefteram pivoxil (CFTM-PI, T-2588) の細粒製剤を小児科領域で基礎的・臨床的検討を行い以下の成果を得ることができた。
1.5mg/kg食後内服後血中濃度のPeakは0.38μg/ml, 4時間く0.078μg/ml, T 1/2 (β) 1.55時間であった。3mg/kgのPeakは0.73~2.25μg/mlであった。6mg/kgのPeakは1.2~2.63μg/ml, 6時間0.12~0.62μg/ml, T1/2 (β) 0.80時間であった。血中濃度にDose response がみられ, 3mg/kg, 6mg/kg内服後6~8時間までの尿中回収率は投与量の10.8~24.7%であった。
治療症例は計40例で急性呼吸器感染症が多かったが, 1日量8.7~12mg/kg, 4~11日間の投与で97.5%の臨床効果を得ることができた。各種材料から分離された起因菌の除菌率も96.0%であった。使用期間は6~8日間が多かった。