The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCefteram pivoxil細粒の臨床的検討
春田 恒和筒井 孟黒木 茂一仁紙 宏之小林 裕
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1989 年 42 巻 9 号 p. 2016-2022

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抄録

新経口用Cephalosporin系抗生物質Cefteram pivoxil (CFTM-PI) 細粒の小児における臨床使用成績を検討し, 以下の結論を得た。
1. 17例に本剤1日9.5~31.8mg/kgを3回ないし4回に分割, 2~10日間経口投与し, うち14例について臨床効果評価可能であった。咽頭炎, 扁桃炎9例では著効4例, 有効5例, 無効例はなく, 肺炎2例は2例とも著効, 猩紅熱, 腎孟腎炎各1例は共に著効, 頚部化膿性リンパ節炎はやや有効, 計14例中著効8例, 有効5例, やや有効1例, 有効率92.9%という成績であった。
2. 17例において臨床的副作用は認められず, 臨床検査値異常として血小板数増加が1例にみられただけであった。
3. 本剤の味と匂いは十分小児に受け入れられるものと考えられた。
4. 以上の成績から, 本剤は小児細菌性感染症に対して有用な経口抗生物質と考えられた。

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