The Japanese Journal of Antibiotics
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Asymptomatic bacteriospermiaの臨床的検討
千村 哲朗斉藤 英和
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1990 年 43 巻 1 号 p. 139-146

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抄録

Asymptomatic bacteriospermiaの実態と治療について, 精液検査を臨床的に必要とした65例を対象とし以下の成績を得た。
1.精液中の細菌検出率は89.2%であり, 好気性菌55.4%, 嫌気性菌70.8%を示した。好気性菌では, グラム陽性菌40株でStaphylococcus epidermidis, Enterococcus faecalisの検出率は高く, Streptococcus agalactiaeが6株 (9.2%) 認められた。グラム陰性菌の検出率は低く3株だけであった。嫌気性菌では, グラム陽性菌90株でPeptostreptococcus (58株) の検出率が高い。グラム陰性菌は11株だけであった。
2.精液分離菌のCefaclor (CCL), Cephalexin, Lomefioxacin, Latamoxef, Flomoxef (FMOX) に対する感受性の検討では, FMOXが平均して優れていた。
3.CCL (1,500mg/日) を経口投与した11例の精液中の細菌変動では, 投与前32株が投与後では菌消失25株, 残存7株, 菌交代23株が認められた。

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