The Japanese Journal of Antibiotics
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細菌性肺炎に対する BMY-28100 と Cefaclor の二重盲検法による臨床評価の比較
大泉 耕太郎渡辺 彰斎藤 玲富沢 磨須美中山 一朗平賀 洋明大道 光秀田村 昌士小西 一樹五味 和俊倉光 宏長井 弘策林 泉勝 正孝奥井 津二福井 俊雄久賀 圭祐島田 馨佐野 靖之宮本 康文谷本 普一中田 紘一郎中森 祥隆蝶名林 直彦野口 昌幸中谷 龍王上田 泰宮原 正酒井 紀嶋田 甚五郎柴 孝也加地 正伸可部 順三郎工藤 宏一郎有岡 仁平山 典保石橋 弘義柴崎 太毛利 昌史清水 喜八郎池本 秀雄渡辺 一功小山 優小林 宏行押谷 浩大久保 隆男池田 大忠松本 文夫桜井 磐小田切 繁樹鈴木 周雄室橋 光宇小山 泉石井 俊一小倉 高志入交 昭一郎松岡 康夫秋月 哲史関根 理青木 信樹佐竹 辰夫高木 健三山木 健市野田 康信権田 秀雄武内 俊彦加藤 政仁林 嘉光加藤 錠一吉友 和夫山本 俊幸鈴木 幹三松浦 徹山本 和英久世 文幸倉澤 卓也池田 宣昭三木 文雄小林 敬司志水 洋二米津 精文安永 幸二郎成田 亘啓澤木 政好三笠 桂一古西 満副島 林造沖本 二郎中川 義久矢木 晋川根 博司松島 敏春川西 正泰澤江 義郎吉田 稔宮原 智子原田 進原田 泰子北原 義也高本 正祇石橋 凡雄篠田 厚原 耕平石野 徹廣田 正毅山口 恵三河野 茂林 敏明道津 安正松本 慶蔵力富 直人田中 宏史森戸 俊博那須 勝重野 秀明後藤 純田代 隆良斎藤 厚伊良部 勇栄重野 芳輝中村 浩明小川 暢也林 康之小栗 豊子
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1990 年 43 巻 11 号 p. 1914-1947

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抄録

BMY-28100の細菌性肺炎に対する有効性, 安全性及び有用性をCefaclor (以下CCLと略す) を対照薬剤とし, 二重盲検法により比較検討した。
BMY-28100は1日750mg, CCLは1日1,500mgをそれぞれ3回に分割し, 原則として14日間経口投与した。
薬剤投与症例172例中, プロトコールに基づいて違反例を除外し, 有効性の解析は124例, 副作用の解析は160例, 臨床検査値異常の解析は146例について実施した。得られた成績は下記のとおりである。
1.小委員会判定による臨床効果 (有効以上) は細菌性肺炎群ではBMY-28100投与群81.7%49例/60例), CCL投与群89.1% (41例/46例) であり, 両薬剤投与群間に有意差は認あられなかった。
2.委員会採用例に対する主治医判定の臨床効果 (有効以上) は細菌性肺炎群ではBMY-28100投与群83.3% (50例/60例), CCL投与群88.9% (40例/45例) であり, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかつた。
3.起炎菌別細菌学的効果は細菌性肺炎群ではBMY-28100投与群86.2% (25株/29株), CCL投与群85.7% (18株/21株) であり, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった。
4.自他覚的副作用発現率はBMY-28100投与群3.5% (3例/85例), CCL投与群1.3% (1例/75例) で, 両薬剤投与群間に有意差は認あられなかった。臨床検査値異常についてもBMY-28100投与群21.1% (16例/76例), CCL投与群25.7% (18例/70例) と両薬剤投与群間に有意差は認められなかった。
5.有用性に関しては, 小委員会判定の有用率 (有用以上) が細菌性肺炎群ではBMY-28100投与群83.6% (46例/55例), CCL投与群90.5% (38例/42例), 委員会採用例に対する主治医判定では, 各々78.3% (47例/60例), 82.2% (37例/45例) であり, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった。
以上, BMY-281001日750mgはCCL1日1,500mgの半量でCCLと同等の有効性と安全性を示したことから, 細菌性肺炎に対して有用性の高い薬剤であると考えられる

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