The Japanese Journal of Antibiotics
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臨床分離株のImipenem/Cilastatin sodium に対する薬剤感受性成績について
大門 良男
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1990 年 43 巻 11 号 p. 1948-1955

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抄録

臨床材料から分離したグラム陽性球菌, グラム陰性桿菌の Imipenem/Cilastatin sodium (Imipenem) に対する薬剤感受性成績について検討を加えた。Imipenem (IPM) はグラム陽性球菌については, Staphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Enterococcus faecalis, Streptococcusagalactiae に対して優れた抗菌活性を示し, 対象としたβ-ラクタム系薬剤のCefuzonam (CZON), Ceftazidime (CAZ), Latamoxef (LMOX), Piperacillin, Cefmetazole に比べて, 同等かもしくはそれ以上であった。又, グラム陰性桿菌についてみると, 腸内細菌科のEscherichia coli, Citrobacter freundii, Klebsiella pneumoniae, Serratia marcescens, Enterobacter cloacae に対してはAztreonam (AZT) をはじめとするβ-ラクタム系薬剤に比べて若干抗菌活性は劣るものの, いずれの菌株に対しても3.13μg/ml以下のMIC値を示した。一方, Enterobacter aerogenes, Proteus spp.についてはAZT, CZON, CAZ, LMOXに比べて抗菌活性は劣っていた。しかしながら, いずれの菌株に対しても6.25μg/ml以下のMIC値であった。ブドウ糖非醗酵グラム陰性桿菌についてみてみると, Pseudomonas aeruginosa, Acinetobacter anitratus に対してIPMは対象としたβ-ラクタム系薬剤に比べて優れた抗菌活性を示したが, Pseudomonas cepaciaではCAZに比べて高いMIC値を示した。又, Xanthomonas maltophiliaに対してはすでに報告されているとおり, 抗菌活性を示さなかった。

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