BMY-28100の細菌性肺炎に対する有効性, 安全性及び有用性をCefaclor (以下CCLと略す) を対照薬剤とし, 二重盲検法により比較検討した。
BMY-28100は1日750mg, CCLは1日1,500mgをそれぞれ3回に分割し, 原則として14日間経口投与した。
薬剤投与症例172例中, プロトコールに基づいて違反例を除外し, 有効性の解析は124例, 副作用の解析は160例, 臨床検査値異常の解析は146例について実施した。得られた成績は下記のとおりである。
1.小委員会判定による臨床効果 (有効以上) は細菌性肺炎群ではBMY-28100投与群81.7%49例/60例), CCL投与群89.1% (41例/46例) であり, 両薬剤投与群間に有意差は認あられなかった。
2.委員会採用例に対する主治医判定の臨床効果 (有効以上) は細菌性肺炎群ではBMY-28100投与群83.3% (50例/60例), CCL投与群88.9% (40例/45例) であり, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかつた。
3.起炎菌別細菌学的効果は細菌性肺炎群ではBMY-28100投与群86.2% (25株/29株), CCL投与群85.7% (18株/21株) であり, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった。
4.自他覚的副作用発現率はBMY-28100投与群3.5% (3例/85例), CCL投与群1.3% (1例/75例) で, 両薬剤投与群間に有意差は認あられなかった。臨床検査値異常についてもBMY-28100投与群21.1% (16例/76例), CCL投与群25.7% (18例/70例) と両薬剤投与群間に有意差は認められなかった。
5.有用性に関しては, 小委員会判定の有用率 (有用以上) が細菌性肺炎群ではBMY-28100投与群83.6% (46例/55例), CCL投与群90.5% (38例/42例), 委員会採用例に対する主治医判定では, 各々78.3% (47例/60例), 82.2% (37例/45例) であり, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった。
以上, BMY-281001日750mgはCCL1日1,500mgの半量でCCLと同等の有効性と安全性を示したことから, 細菌性肺炎に対して有用性の高い薬剤であると考えられる
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