抄録
全国各地の病院からStaphylococcus aureus, Escherichia coil, Klebsiella sp. Proteus mirabilfsの臨床分離株を収集し, Ampicillin (ABPC), Cefazolin (CEZ), Cefmetazolo (CMZ), Gentamicin (GM) に対する感受性の地域差と病院差について検討した。
感受性の差の指標としてMIC≥25μg/mlの菌株の分離率を用い, これを比較した。
地域差については, S. aureus とABPC, CEZ, CMZ, GM, E. coli とABPC, GM, Klebsiellasp.とCEZ, GMの間に認められ, P. mirabilis の各薬剤に対する感受性の地域差は認められなかつた。しかし, 対象とした病院が各地域 (地方) で2~12病院と少なく, この結果が真の地域差を表しているか疑わしい。
病院差についても, MIC≥25μg/mlの菌株分離率とMIC50値とMIC80値をもつて比較した。S. aureus とABPC, CEZ, GM, E. coli とABPC, Klebsiella sp. とCEZ, GM, P. mirabilisとABPC, CEZ, GMの間に病院差を認めた。
薬剤感受性の病院差の要因や背景について考察した。