1990 年 43 巻 3 号 p. 445-454
Aztreonamの1時間点滴静注により新生児における吸収, 排泄, 並びに10症例の臨床成績検討を行った。
1.日齢11日以内の新生児7名の血清中濃度は小児に比較して低かった。
2.20mg/kg投与群5名の平均血清中濃度のPeakは点滴静注終了時にあり, 平均45.8±10.41μg/mlで半減期は平均2.77±0.32時間であつた。
3.25mg/kg投与群2名の血清中濃度のPeakは点滴静注終了時にあり, 各々31.1μg/ml, 33.4μg/mlと20mg/kg群と大差なく, 半減期は各々1.87時間, 3.23時間であった。
4.日齢11日以内7名の6~8時間までの尿中排泄率は18.8~50.0%で平均31.7%で, 小児例より低かった。
5.本剤使用により全例有効以上の治療成績を得ることができた。Escherichiacoli, Klebsiella Pneumoniaeによる尿路感染症の3例はいずれも著効であったが, 本剤投与中Enterococcusfaecalisに菌交代がみられた。
6.連続投与中2例にGOT, GPTの一時的上昇がみられた。その他臨床的副作用はみられなかった。
7.新生児グラム陰性菌感染症に対する本剤の使用量は40~60mg/kg/日, 2~3回の分割投与が標準と思われる。