1990 年 43 巻 6 号 p. 1164-1173
種々の基礎呼吸器疾患のある呼吸器感染症及び重症呼吸器感染症51例 (男37例, 女14例) にCeftazidime (CAZ) を使用し, その臨床効果及び副作用を検討した。
対象患者の平均年齢は62.6歳, 平均体重は48.0kgであつた。投与方法は1回1-2g, 1日2回の点滴静注で, 平均投与日数は14.7日, 平均総投与量は56.7gであった。
臨床効果は気道・中間領域感染症28例中18例で有効であり有効率64%, 肺化膿症を含む肺炎20例中16例有効で有効率80%, 膿胸3例中2例有効で有効率67%であった。
起炎菌別では, Pseudomonas aeruginosa 13例では有効率69%, 菌陰性化率67%, Staphylococcus aureus 6例では有効率33%, 菌陰性化率20%, Streptococcus pneumoniae 6例では有効率100%, 菌陰性化率100%, Klebsiellapneumoniae 4例では有効率100%, 菌陰性化率100%, その他Peptostreptococcus anaerobius, Haemophilus influenzaeの各2例Peptococcus sp., Fusobacterium necrophorum, Serratia marcescens 各1例では全例に菌の消失をみている。
副作用は発診1例 (2%), GOT・GPT・A1-Pの上昇1例 (2%) を認めたが, 投与中止により改善した