The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCefodizimeの基礎的並びに臨床的検討
西村 忠史田吹 和雄青木 繁幸高木 道生
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1990 年 43 巻 9 号 p. 1603-1613

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抄録

Cefodizime (CDZM, THR-221) の小児科領域における基礎的並びに臨床的検討を行い, 下記の成績を得た。
基礎的検討と育て, CDZMの血清中濃度及び尿中排泄率を測定した。30分間点滴静注時の血清中濃度推移はCDZM10mg/kg2例, 20mg/kg2例, 40mg/kg3例で検討育た。いずれの投与量においても, 濃度ピークは点滴静注終了時にあり, そのCDZMの濃度は投与量別に76.16±5.52μg/ml, 170.49±16.70μg/ml, 270.01±50.44μg/mlであり, 半減期は各々2.03±0.78時間, 2.03±0.38時間, 2.28±0.30時間であつた。又, 投与後8時間までの尿中排泄率は血清中濃度を測定した症例と同一症例にて検討し, CDZM10mg/kg投与時83.3±22.3%, 20mg/kg投与時73.1±13.9%, 40mg/kg投与時51.1±8.5%であった。
臨床的検討は扁桃炎5例, 上顎洞炎1例, 咽頭炎1例, 気管支炎2例, 肺炎10例, 腸炎6例, 尿路感染症3例の計28例について行った。臨床効果は著効13例, 有効7例, やや有効2例, 無効6例であり, 有効以上は計20例で, 71.4%の有効率であった。又, 細菌学的効果は, Staphylococcusaureu31例, Strptoccccus pyogonesl例, Haemophilus influbnzae5例, Salmonba typimuium4例, 及びEscherichia coli1例の計12例について検討した。SaureusとS.tyhimuriumの各1例は不変, S.typhimuriumによる1例では菌減少がみられたが, 他の9例は全例本剤使用中に菌消失し有効であった。副作用は本剤投与前後の臨床症状・所見及び検査所見の異常について計34例で検討し, 検査値異常として血小板増多1例, GOT上昇2例, GOTとGPT上昇2例を認めたたしかし, いずれも本剤との関連は少なく, 又, 臨床症状・所見の異常は認めなかった。

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