The Japanese Journal of Antibiotics
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血液疾患に合併する重症感染症に対するAspoxicillin, Ceftazidime併用時の臨床的検討
赤坂 清司那須 芳堀内 篤長谷川 廣文巽 典之任 太性木谷 照夫谷口 信博田川 進一正岡 徹柴田 弘俊手島 博文
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1990 年 43 巻 9 号 p. 1614-1620

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抄録

各種血液疾患に合併する重症感染症88例にAspoxicillin (ASPC) とCeftazidime (CAZ) の併用療法を行い, その臨床効果を検討した。投与法はASPC1日8g, CAZ1日4-6gを2-4回に分割して静脈内に投与し, 最低3日間は投与を行った。
その結果, 著効20例, 有効31例, やや有効4例, 無効33例で有効率は58.0%であった。更に詳細なデータを得られた77例については, 63.6%の有効率であった。
細菌が分離された9例から10菌株が検出され, その細菌学的検討を行った結果, 消失3株, 減少1株, 不変3株, 不明3株で, 菌消失率は42.9%であった。又, その中で, Pseudomonas aeruginosa3株が検出されたが, 2株が消失, 1株が減少した。
ASPC, CAZ投与前後の好中球数と臨床効果の関係を検討した結果, 投与前好中球数が500/mm3以上, 又は投与後好中球数が増加するほど, 効果が高くなる傾向がみられた。
副作用, 臨床検査値異常は94例中4例に認められ (4.3%), いずれも投与中止により回復した。
ASPC, CAZの併用療法は血液疾患に合併する重症感染症に対して, 有用な組合せと考えられた。

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