The Japanese Journal of Antibiotics
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家兎Staphylococcus aureus髄膜炎におけるCefpiromeの髄液中移行
春田 恒和大倉 完悦黒木 茂一小林 裕
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1991 年 44 巻 1 号 p. 58-61

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抄録

Cefpiromeの髄液中移行をStaphylococcus aureus髄膜炎家兎モデルを用いて検討した。本剤100mg/kg静注後15分の血清中濃度は362±6.63μg/ml (平均±S.E), 髄液中濃度は60分にピークがあり, 14.6±2.85μg/mlであつた。この推移曲線から求めたPharmacokineticparameterは最高濃度髄液血清比百分率4.04%, AUC髄液血清比百分率15~60分5.14%, 15~120分8.12%, 15~180分10.4%, 髄液中濃度T1/2は154分, T1/2髄液血清比は3.96であった。
同様な方法で得られた他のβ-Lactam剤の値と比較すると本剤の移行は中等度であるが, 最高髄液中濃度は高い方であり, 髄膜炎主要起炎菌に対する抗菌力と考え合せて, 臨床応用を試みる価値があると考えられた

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