The Japanese Journal of Antibiotics
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胆石手術後のCefuzonamの胆汁中移行に関する臨床的検討
平野 正満藤村 昌樹山本 明山本 育男西村 和明高原 秀典平野 節森 渥視
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1991 年 44 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

胆石手術後のCefuzonam (CZON) の胆汁中移行を検討した。対象は術後胆道ドレナージが施行された6例の患者で, 術後にCZON 1gを静注し, 術当日と術後2日目に血中と胆汁中CZON濃度を測定した。
1. 血中濃度は投与30分で最高値を示し, 術当日で45.8±13.8μg/ml, 術後2日目で60.9±12.2μg/mlであった。
2. 胆汁中濃度は投与後1時間で最高値に達し, 術当日で4,083±1,427μg/ml, 術後2日目で4,376±630μg/mlと高い値を示した。又, 投与後6時間では154~259μg/mlの値がみられ, Pseudomonas aeruginosaを除くグラム陰性菌に対するMIC80をはるかに超える濃度が得られた。
3. 術当日に比べ, 術後2日目の血中, 胆汁中濃度がより高値を示したが, 両者間に有意の差はみられなかった。
CZONは胆汁中移行の優れた薬剤であり, 胆汁中では術後6時間にわたり, 高濃度が維持されていた。

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