The Japanese Journal of Antibiotics
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新生児におけるFlomoxefに関する検討
佐藤 肇成田 章松本 貴美子中澤 進一鈴木 博之中西 好子長尾 和哉中澤 進新納 憲司
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1991 年 44 巻 11 号 p. 1250-1258

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抄録

Flomoxef (FMOX) を用いて, 新生児及び未熟児の体内動態を中心に, 併せて臨床効果についても検討し, 以下の成績を得た。
1.本剤を1時間点滴静注した時の血中濃度のピークは, 点滴静注終了時 (1時間) にあり, 20mg/kgを投与した際には, 5例の平均33.3±7.33μg/ml, 40mg/kgを投与した際には, 3例の平均68.9μg/mlであった。
又, 薬動力学的解析により, 半減期T1/2 (β) は20mg/kg投与した際には, 平均1.99±0.47, 40mg/kg投与した際には, 平均2.17時間であった。
2.尿中排泄率は20mg/kg投与した際には, 3例の平均が0~6時間で, 35.2%, 40mg/kg投与した際には, 2例の平均が48.3%であった。
3.臨床投与例は計4例であつたが, そのうち, 臨床効果の判定ができた症例は, 頭部皮下膿瘍でMethicillin耐性黄色ブドウ球菌が検出された1例を含んで, 3例共, 著効であった。
4.今回検討した4例では, 特に副作用は無く, 臨床検査値異常も認められなかった。

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