The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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44 巻, 11 号
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  • 芹生 卓, 津田 昌一郎, 中井 浩之, 村上 剛, 高島 輝行, 高橋 由加利, 田中 新司, 中川 均, 西垣 光, 横田 昇平, 谷脇 ...
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1197-1205
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    造血器疾患に合併した感染症56例に対してCefminox (CMNX) ・Fosfomycin (FOM) 併用療法を施行し, その有効性及び安全性を検討した。
    1.評価対象症例は52例で, その有効率は63.5%であった。
    2.最も症例数の多い敗血症疑い35例での有効率は62.996であった。
    3.CMNX・FOM併用療法投与前後共に末梢血好中球数500/mm3以下が続いた群でも55.6% (5例/9例) の有効率であった。
    4.副作用としてo例に一過性の悪心を認めたが軽度であった。
    これらの結果から, CMNX・FOM併用療法は, 造血器疾患に合併した感染症に対し有用で, 且つ安全性の高い併用療法の一つと考えられた。
  • 大里 和久, 勝川 千尋, 牧野 正直
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1206-1210
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ofioxacin (OFLX) のラセミ体のL型の光学異性体だけからなるLevofioxacin (LVFX, DR-3355) を用いて男子の単純性淋菌性尿道炎の治療を行い, OFLXの場合と比較した。LVFXは300mg/日, OFLXは600mg/日を各々5日間投与したが, 両者共優れた治療効果を挙げ, 治療経過で両者間に差は無かった。LVFXの淋菌に対するMICは, Penicillinase-producing Neisseria gonorrhoeae (PPNG) 株も含めて, OFLXのMICの丁度1/2濃度のところに分布した。これらの結果からLVFXは単純性淋菌尿道炎に対してOFLXの1/2量でOFLXと同等の治療効果を挙げ得ると結論した。
  • アミノグリコシド修飾酵素による分類とMRSAに有効な抗生物質
    近藤 信一, 池田 洋子, 服部 聖子, 浜田 雅, 竹内 富雄
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1211-1215
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1986年から1990年の間に大阪府の同一病院で分離されたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) 50株を使用して, 10種の市販品を含む14種のアミノグリコシド系抗生物質の感受性を調べた。Arbekacin (ABK) 耐性菌は全く認められず最も良い感受性を示し, Streptomycinの感受性も良かった。Kanamycin (耐性株98%), Tobramycin (84%), Gentamicin (62%), Amikacin (36%) 及びABK (0%) のそれぞれの感受性から各MRSAが保有しているアミノグリコシド修飾酵素を推定し, 分類した。
    アミノグリコシド系抗生物質以外でMRSAに有効な抗生物質を探索し, Vancomycin (VaM) のほかに12種の既知抗生物質を見出した。中でもTaitomycinは極あて低濃度 (0.013~0.050μg/ml) で全株を阻止した。Griseolutein A, B (0.10~0.39μg/ml), Macarbomycin (0.05~0.20μg/ml) はいずれもVCM (0.39~156μg/ml) より優れたMICを示した。Novobiocin (0.20~0.78μg/ml) も良好な抗菌力であった。
  • 藤田 晃三, 室野 晃一, 西條 政幸, 角谷 不二雄, 吉岡 一, 丸山 静男, 坂田 宏, 平元 東, 印鑰 史衛
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1216-1227
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1.新生児・幼若乳児にFlomoxef (FMOX) を投与し, その臨床効果と副作用, 薬物動態及び腸内菌叢に及ぼす影響を調べた。
    2.臨床投与成績と副作用の検討は低出生体重児13例を含む43例について行つた。疾患の内訳は敗血症8例, 敗血症疑い14例, 肺炎7例, 胎内感染6例, 尿路感染症4例, 化膿性髄膜炎2例, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群1例, 副睾丸炎1例である。臨床効果は著効17例, 有効22例, やや有効3例, 無効1例であつた。副作用は2例に下痢を認め, 検査値異常は好酸球増多, 血小板増多, 血清GOT・GPT上昇, GOT上昇をそれぞれ1例づつに認めた。
    3.薬物動態は低出生体重児8例を含む19例で調べた。本剤20mg/kgをIntravenous bolus injectionした後の血清中濃度は, 生後6日目までの低出生体重児5例では静注後15分で平均52.6μg/ml, 4時間後で平均22, 1μg/mlであり, 半減期は平均3.93時間であつた。生後1週間以内の成熟児5例では静注後15分で平均52.7μg/ml, 4時間後で平均13.3μg/ml, 半減期は平均2.29時間であつた。生後8~19日目の成熟児4例では静注後15分で平均58.0μg/ml, 4時間後平均5.2μg/ml, 半減期は平均1.62時間であつた。
    生後8~54日の低出生体重児3例と生後8~10日の成熟児2例に本剤20mg/kgを1時間で点滴静注した時の血清中濃度は, 点滴静注終了時で平均31.5μg/mlと18.9μg/ml, 4時間後で平均15.3μg/mlと4.3μg/mlで, 半減期は平均2.88時間と1.75時間であつた。
    本剤20mg/kgをIntravenous bolus injectionした後の0~6時間の尿中回収率は生後1週以内の低出生体重児4例, 生後1週以内の成熟児4例, 生後8~19日の成熟児3例で, それぞれ, 平均30.4%, 45.1%, 58.7%であつた。本剤20mg/kgを1時間で点滴静注した場合の0~6時間の尿中回収率は生後8~54日の低出生体重児3例で平均22.6%, 生後8日と10日の成熟児2例で平均47596であつた。
    本剤50mg/kg×4/日を連続投与した化膿性髄膜炎患者で, 治療開始後2口目投与後3時間における髄液中濃度は7.09μg/ml, 治療開始後8日目投与後1時間では3.52μg/mlであつた。
    4.7例の新生児・乳児の腸内菌叢への影響では, 投与中連鎖球菌が残り, 3例にはイーストが検出された。又, 大腸菌群は少なく, ビフィズス菌などの嫌気性菌群は検出限界以下であつた。6例について投与中糞便中FMOX濃度を測定したが, 1例で測定限界以下であつたが, 他の5例では平均160.6 (±82.2) μg/gであつた。投与中止後2~10日目にはビフィズス菌や大腸菌がかなりの菌数に出現した。
  • 阿座上 志郎, 磯畑 栄一, 竹田 周吾, 金 慶彰, 老川 忠雄, 小佐野 満, 城 裕之
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1228-1239
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Flomoxef (FMOX) の新生児期における基礎的検討を行い, 以下のような結論を得た。
    1.FMOXの投与30分後の血中濃度の平均値は10mg/kgを投与した際には24.3μg/ml, 20mg/kgを投与した際には47.6μg/ml, 40mg/kgを投与した際には85.8μg/mlであった。
    2.半減期は日齢0~3日では平均3.4時間, 日齢4日以降では平均2.6時間であった。
    3.10mg/kg, 20mg/kg, 40mg/4kg投与群の間で血中濃度, AUCに明らかなDose responseが認められた。
    4.尿中回収率は投与間始6時間までで12.8~51.1%であった。
    5.臨床投与例は起炎菌が明らかな症例8例中7例で臨床的に著効又は有効であった。
    6.臨床的副作用は1例に下痢を認めたが, 本剤投与中止後間もなく軽快した。検査値異常を認めた症例はなかった。
    7.FMOXの抗菌スペクトルはグラム陽性菌からグラム陰性菌にまで広く及び, 多くのβ-Lactamaseに安定で, 今回の検討でも高い有効性を認め, 且つ重篤な副作用も認められなかつたことから, 今後新生児, 乳児期の敗血症, 尿路感染症などの細菌感染症の際に第1選択として用い得る有用な薬剤の一つと考えられる。
  • 秋田 博伸, 佐藤 吉壮, 岩田 敏, 砂川 慶介, 横田 隆夫
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1240-1249
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Flomoxef (FMOX) を用いて新生児の体内動態臨床効果, 腸内細菌叢への影響について検討し, 以下に述べる結果を得た。
    1.本剤を20mg/kg静脈内投与した時の血中濃度推移は30分48.5μg/ml, 1時間33.0μg/ml, 6時間7.3μg/mlで半減期は2.7時間であった。40mg/kg投与例は生後1日の1例であったが30分値は73.6μg/ml, 1時間55.9μg/ml, 6時間16.9μg/ml, 半減期4.60時間であった。
    2.生後0~32日の新生児21例に本剤を投与した。臨床効果の判定ができた8例では著効2例, 有効5例, 無効1例であった。投与された21例のうち1例に下痢が, 好酸球増多2例 (9.5%), 血小板数増加3例 (14.3%), GOT上昇2例 (9.5%) を認めた。
    3.腸内細菌叢への影響を検討したところ, FMOXの糞便中濃度は0.84~44.4μg/g検出されたが, 腸内細菌叢への影響は比較的少なかった。しかし, 嫌気性菌に対してやや抑制傾向が認められた。
  • 佐藤 肇, 成田 章, 松本 貴美子, 中澤 進一, 鈴木 博之, 中西 好子, 長尾 和哉, 中澤 進, 新納 憲司
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1250-1258
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Flomoxef (FMOX) を用いて, 新生児及び未熟児の体内動態を中心に, 併せて臨床効果についても検討し, 以下の成績を得た。
    1.本剤を1時間点滴静注した時の血中濃度のピークは, 点滴静注終了時 (1時間) にあり, 20mg/kgを投与した際には, 5例の平均33.3±7.33μg/ml, 40mg/kgを投与した際には, 3例の平均68.9μg/mlであった。
    又, 薬動力学的解析により, 半減期T1/2 (β) は20mg/kg投与した際には, 平均1.99±0.47, 40mg/kg投与した際には, 平均2.17時間であった。
    2.尿中排泄率は20mg/kg投与した際には, 3例の平均が0~6時間で, 35.2%, 40mg/kg投与した際には, 2例の平均が48.3%であった。
    3.臨床投与例は計4例であつたが, そのうち, 臨床効果の判定ができた症例は, 頭部皮下膿瘍でMethicillin耐性黄色ブドウ球菌が検出された1例を含んで, 3例共, 著効であった。
    4.今回検討した4例では, 特に副作用は無く, 臨床検査値異常も認められなかった。
  • 庵原 俊昭, 神谷 齊, 松田 正, 清水 信, 西 英明, 稲持 英樹, 多喜 紀雄, 鈴木 正治, 小島 當三, 川崎 肇, 櫻井 實
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1259-1264
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Flomoxef (6315-S, FMOX) を21例の新生児に投与し, その薬物動態の検討と臨床的検討を行った。
    FMOX 20mg/kg及び40mg/kgを1時間かけて点滴静注した時の血中半減期は, それぞれ64.9分, 130.3分であり, 20mg/kgを2例にゆっくり静注した時の血中半減期は, それぞれ70.8分, 110.1分であり, いずれも, 正常小児の半減期より延長していた。
    新生児の感染症17例 (肺炎8例, 敗血症1例, 敗血症疑い2例, 胎内感染2例, 尿路感染症2例, 臍炎2例) にFMOXを45~100mg/kg投与した時の有効率は17例中15例 (88.2%) であった。予防的にFMOXを投与した4例を含あての21例の副作用の検討では, 臨床上の副作用は1例も認めず, 検査値の異常を2例に認めただけであった。
    以上の結果から, FMOXは新生児期にも安全に使用でき, 有用な抗生剤であると思われた。
  • 岩井 直一, 中村 はるひ, 宮津 光伸, 笠井 啓子, 渡辺 祐美, 種田 陽一, 尾崎 隆男, 松井 省治, 牧 貴子, 田内 宜生, ...
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1265-1285
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    すでに上市されているFlomoxef sodiumについて, 新生児領域における基礎的, 臨床的検討を行つた。
    1.生後1~30日の新生児22例 (在胎週数31~43週, 生下時体重1,650~4,040g) 及び生後50~95日の乳児5例 (在胎週数33~40週, 生下時体重1,720~3,308g) に本剤20mg/kgをOneshot静注で投与した際の血清中濃度と尿中排泄について検討した。
    新生児例及び乳児例の血清中濃度のピーク値 (0.5時間値) は10.8~67.6μg/ml (平均32.7±2.8μg/ml) 及び25.1~52.0μg/ml (平均38.9±4.3μg/ml) で, その後は0.96~5.59時間 (平均2.20±0.26時間) 及び0.97~1.54時間 (平均1.22±0.12時間) の半減期をもつて推移し, 8時間値は0.2~17.1μg/ml (平均2.9±0.6μg/ml) 及びN.D.~1.1μg/ml (平均0.4±0.2μg/ml) であった。又, 投与後8時間までの尿中回収率については15.0~96.0% (平均53.7±4.9%) 及び29.9~73.3% (平均62.4±9.4%) であった。
    2.細菌感染が存在するか, あるいはその発症が予想された新生児78例 (在胎週数31~42週, 生下時体重1,420~3,860g) に本剤を投与し, その際の臨床効果, 細菌学的効果, 副作用について検討した。
    臨床効果の判定対象となった敗血症1例, 急性上気道炎3例, 急性肺炎18例, 臍感染症1例, 膿痂疹1例, 急性尿路感染症4例, 急性外耳道炎1例, 肛門周囲膿瘍1例, 子宮内感染 (胎内感染) 17例, 計47例に対する臨床効果は, 著効41例, 有効6例であり, 有効率は100.0%であった。又, これらの症例の原因菌となったStaphylococcus aureus3株, Streptococcus pneumoniae1株, Streptececcus agalactiae1株, Escherichia coli9株, Haemophilus influenzae2株に対する細菌学的効果についてはすべて消失であつた。更に, 感染予防の目的で投与されたか, 結果的にそうなった27例においても, 感染予防効果は完全に達成できた。
    なお, 副作用の認められた症例はなかった。又, 臨床検査値異常については, GOTの上昇が2例, 好酸球増多が1例, 血小板増多が1例に認あられたが, いずれも軽度で, しかもGOT上昇例の1例では正常化が確認された。
    以上の結果から, 本剤が新生児期においても有用, 且つ安全に使用できる薬剤であると考えられた。
  • 大倉 完悦, 山川 勝, 黒木 茂一, 春田 恒和, 小林 裕
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1286-1293
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新生児, 未熟児におけるHomoxefの血中濃度, 尿中排泄及び臨床使用成績を検討し, 以下の結果を得た。
    1.本剤静注1時間後の血中濃度は, 約10mg/kg投与5例で平均17.4μg/ml, 約20mg/kg投与の2例で平均41.8μg/ml, 約40mg/kg投与2例の平均69.6μg/mlと用量依存性が認められた。20mg/kg4回目投与例では, 投与前値が24.9μg/mlと残存しており, このために他の同量例より高い血中濃度を示した。血中濃度半減期は平均2.89時間, 0~2日齢5例では平均3.89時間, 16~23日齢5例では平均1.90時間と新生児期後期で半減期が短縮していた。又, 成熟新生児4例の平均2.48時間, 未熟児6例の平均3.17時間と, 未熟児でやや延長していた。5例の6時間までの尿中回収率は平均39.2%であつた。
    2. 5例の新生児, 未熟児に治療目的に本剤1日33.1~80.2mg/kgを2回又は3回に分割静注した。5疾患 (尿路感染症を伴う敗血症1例, 外耳道痴1例, 膿痂疹1例, 胎内感染症1例, 尿路感染症1例) ではすべてに有効以上で, 起炎菌 (Escherichia coli 3株, Staphylococcus aureus 2株) は4株消失, 1株減少した。
    3. 副作用は全くみられなかつた。検査値異常としては1例に軽度の好酸球増多がみられた。
    4. 以上の成績から, 本剤は新生児期感染症に非常に使いやすい, 有用な抗生剤であると考えられた。
  • 冨増 邦夫, 辻 芳郎, 福田 雅文, 坂井 正義, 中下 誠郎, 内田 哲也, 森 剛一, 宮副 初司, 本山 和徳
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1294-1302
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新生児・未熟児に対するFlomoxef (FMOX) の基礎的, 臨床的検討を行い次の成績を得た。
    1.FMOX20mg/kgを6例にOne shot静注した時の血漿中濃度は, 15分値で33.0~69.9μg/mlに分布し, T1/2 (β) は0.68~4.89時間であった。
    1例に40mg/kgをOne shot静注した時の血漿中濃度は, 15分値は79.9μg/ml, T1/2 (β) は2.45時間であった。
    3例に40mg/kgを1時間かけて点滴静注した時の血漿中濃度は, ピーク値は点滴静注終了時にあり, 71.1~114.0μg/ml, T1/2 (β) Ml. 64~3.41時間であつた。いずれもバラッキが大きいが日齢の短いほど長い傾向にあり, 体重とは無関係であった。
    2.尿中排泄は20mg/kgをOne shot静注の1例と40mg/kg点滴静注2例で行い, 投与後6時間までに27.2~60.4%が排泄された。
    3.臨床効果は細菌感染症12例, 著効6例, 有効5例, 無効1例で有効率は91.7%であった。
    感染予防の目的で使用した6例は, すべて順調な経過を辿った。
    4.副作用は21例中全例に認めず, 臨床検査値異常はS-GOT, S-GPTの上昇を1例に認めた。
  • 木村 紘一郎, 宮野 武, 下村 洋
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1303-1306
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Flomoxef (FMOX) の新生児期における体内動態に関して, 10症例において検討を行い, 以下のような結果を得た。
    1.FMOX20mg/kgを1時間点滴静注した際, 点滴静注終了時に血中濃度値はピークを示し, 21.8±759μg/mlであった。点滴静注開始後5時間の血清中濃度は4.3±2.88μg/mlで半減期は2.08±1.01時間であつた。
    2. 尿中回収率は点滴静注開始後7時間 (終了後6時間) で53.38±16.94%であった。
  • Flomoxef周産期感染症研究会
    由良 二郎, 清水 保延, 橋本 俊, 中村 司, 音部 好宏, 南 宗人
    1991 年 44 巻 11 号 p. 1307-1312
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児外科領域においてFlomoxef (6315-S, FMOX) の基礎的・臨床的検討を行い以下の結果を得た。
    1.胆汁中移行については, 投与終了後1時間にてピークとなり, 投与開始後1時間以降, 血中濃度より高くなつた。胆汁中回収率は肝硬変症の影響から0.03%から0.30%とやや低かった。
    2.尿中排泄は良好で, 投与終了後6時間までに57.8%から97.8%の尿中回収率を得た。
    3.臨床使用成績においては, 蜂窩織炎1例, 術後感染予防4例の合計5例の新生児症例に使用し, その臨床的効果は著効1例, 有効4例で有効率は100%であつた。副作用は本試験中認められず, 又, 本剤によると思われる臨床検査値の異常変動はみられなかつた。
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