The Japanese Journal of Antibiotics
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正常及び白血球減少マウスにおける全身感染症に対するKW-2228と抗生物質の併用効果
佐藤 清米山 裕芳野 達也
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1992 年 45 巻 1 号 p. 91-97

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抄録

KW-2228は遺伝子工学的手法によって得られたRecombinant human granulocyte colonystimulating factor (rhG-CSF) の誘導体である。KW-2228が感染症領域で臨床適用され得る可能性を持っかどうかは興味深い。本稿では, 正常マウス及びCyclophosphamideによる自血球減少マウスを用いた全身感染症モデルでKW-2228と各種抗生物質との併用効果を検討し, 以下の結果を得た。
1. Pseudomonas aeruginosaBMH No.1感染症モデルでKW-2228とCeftazidime (CAZ) 又はAstromicin (ASTM) との併用投与は感染予防に著しい併用効果が認められた。CAZとの併用では予防効果より活性は弱いものの治療効果にも併用効果が認あられた。
2. Serratia marcescens F3984感染症モデルでKW-2228とASTMの併用投与は感染予防に明らかな併用効果が認められた。
3. Candida albicansMTU12077感染症モデルにおいてAmphotericin Bとの併用治療に顕著な併用効果が認あられた。
以上の成績から, KW-2228は実験的マウス感染症に対して既存抗生物質との間に明らかな併用効果が認あられた。これらのことから, ヒトの感染症に対してKW-2228は化学療法の補助療法剤として臨床応用が期待できるものと予想された。

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