1992 年 45 巻 11 号 p. 1451-1459
1992年1月~3月に, 市中の気道系感染症患者から分離した臨床分離株を対象に, Cefetamet (CFMT) の抗菌活性を他の屯な3ラクタム系経口抗菌薬剤を加えて検討し, 以下の結論を得た。
1. Streptococcus pyogenes, Streptcoccus pneumoniac, そしてHaemophilus lnfiuenzae, すなわち市中の気道系感染症におけるこれら「三大起炎菌」に対するCFMTの強い抗菌活性が認あられたが, そこにおけるMIC値は既存の一部のオキシム型経口セフェム系薬剤には, やや劣っていた。
2. CFMTはセフェム系薬剤の抗菌活性を低下させるMoraxella subgenus Branhamella catarrhalisが産生するβ-ラクタマーゼに対しては, Cefixime (CFIX) とほぼ同等に安定である。
3. CFMTの経口薬剤であるCcfetametpivoxil (CFMT-PI) 250mg, 及び500mg単回投与時の血中濃度は, 上記の「三大起炎菌」及びM.(B) catarrhalis, Klebsiella pneumoniaeに対するCFMTのMIC8。を, 250mg投与時は約9時間, 500mg投与時は約11時間越えていたことから, CFMTはAbove the MIC, Time above MICを, 常用量1日2回の投与で十分にカバーすることが示唆された。
4. 上記によりCFMT-PIは, 市中の気道系感染症に対する有用性が期待できるとの結論を得た。