The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
市中の気道系感染症由来臨床分離株に対するCefetametの抗菌活性
出口 浩一横田 のぞみ古口 昌美鈴木 由美子鈴木 香苗深山 成美石原 理加小田 清次田中 節子中根 豊
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 45 巻 11 号 p. 1451-1459

詳細
抄録

1992年1月~3月に, 市中の気道系感染症患者から分離した臨床分離株を対象に, Cefetamet (CFMT) の抗菌活性を他の屯な3ラクタム系経口抗菌薬剤を加えて検討し, 以下の結論を得た。
1. Streptococcus pyogenes, Streptcoccus pneumoniac, そしてHaemophilus lnfiuenzae, すなわち市中の気道系感染症におけるこれら「三大起炎菌」に対するCFMTの強い抗菌活性が認あられたが, そこにおけるMIC値は既存の一部のオキシム型経口セフェム系薬剤には, やや劣っていた。
2. CFMTはセフェム系薬剤の抗菌活性を低下させるMoraxella subgenus Branhamella catarrhalisが産生するβ-ラクタマーゼに対しては, Cefixime (CFIX) とほぼ同等に安定である。
3. CFMTの経口薬剤であるCcfetametpivoxil (CFMT-PI) 250mg, 及び500mg単回投与時の血中濃度は, 上記の「三大起炎菌」及びM.(B) catarrhalis, Klebsiella pneumoniaeに対するCFMTのMIC8。を, 250mg投与時は約9時間, 500mg投与時は約11時間越えていたことから, CFMTはAbove the MIC, Time above MICを, 常用量1日2回の投与で十分にカバーすることが示唆された。
4. 上記によりCFMT-PIは, 市中の気道系感染症に対する有用性が期待できるとの結論を得た。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top