The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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ラットのアルコール代謝系に対する新規抗生物質Cefclidin及びE1077の影響
渡辺 直彰浅川 直樹豊澤 逸生比留間 良一畑 桂上野 純子勝 鎌政吉田 豊
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1992 年 45 巻 4 号 p. 364-370

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抄録

ヒトにおいてDisumram様作用の認められている抗生物質Latamoxef及びCefoperazoneをラットに投与すると, 最終投与18時間後には, 肝ミトコンドリアのLow Km aldehyde dehydrogenase (Low Km ALDH) 活性の低下が認められた。更に, これらの抗生物質を投与し, その18時間後にエタノールを負荷したラットでは, 対照群に比較し血中アセトァルデヒド濃度が著しく上昇していた。一方, Cefclidin (CFCL, E1040) 及びE1077の300mg/kg及び1,000mg/kgを3日間連続投与したラットでは, 肝ミトコンドリアのLow Km ALDH活性の低下は認められず, エタノールを負荷しても血中アセトアルデヒド濃度は対照群との間に大きな差は認められなかつた。以上の結果から, CFCL及びE1077は生体内でのアルコール代謝系に影響を及ぼさないことが示された。

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