The Japanese Journal of Antibiotics
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造血器疾患に合併した重症感染症に対するMeropenemの臨床的検討
杉山 治夫堀内 篤長谷川 廣文木谷 照夫田川 進一正岡 徹手島 博文米沢 毅武 弘典川越 裕也平田 充彦巽 典之任 太性古川 佳央三宮 祐一岸田 卓也田中 一巨巽 陽一橋本 孝二安永 幸二郎藤竹 英樹吉岡 宗陰山 克大藪 博赤坂 清司那須 芳垣下 榮三金丸 昭久武元 良整永井 清保
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1992 年 45 巻 6 号 p. 687-696

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抄録

造血器疾患に併発した重症感染症150例を対象にMeropenem (MEPM) を投与し, 臨床効果と安全性について検討した。
1. 有効性評価症例132例での臨床効果は著効33例, 有効45例, やや有効10例, 無効44例で, 有効率59.1%であった。
2. 先行抗菌剤治療を受けていない症例での有効率は62.9%であったのに対し, 受けていた症例での有効率は51.2%であった。
3. MEPM投与前後の末梢好中球数と臨床効果の検討において, 投与後の好中球数が増加する症例では有効率が高い傾向がみられた。投与後の好中球数が100/mm3以下の症例での有効率は48.1% (13例/27例) であった。
4. 安全性評価症例150例中, 副作用は発疹3例, 黄疸1例の合計4例 (2.7%) にみられたが, いずれも投与中止後消失した。臨床検査値異常例は8例 (5.3%) にみられたが, いずれも重篤なものではなかった。
以上から, MEPMは造血器疾患に合併する重症感染症に対し優れた有用性を有することが確認された。

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