The Japanese Journal of Antibiotics
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Meropenemの小児科領域における臨床的検討
三国 健一松田 博雄渡辺 言夫
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1992 年 45 巻 6 号 p. 738-743

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抄録

新しく開発された注射用Carbapenem系抗生物質Meropenem (SM-7338, MEPM) を用い, 2ヵ月から8歳8ヵ月までの小児感染症13例を対象に臨床的検討を行つた。疾患の内訳は気道感染症7例, 敗血症1例, 眼窩蜂巣織炎2例, 耳下腺膿瘍1例, リンパ節炎1例, 皮膚感染症1例であった。臨床効果は著効7例, 有効4例, 無効1例, 判定不能1例で84.6%の有効率であった。細菌学的効果は投与前分離された7株中本剤投与により5株 (71.4%) が消失, 菌交代1株であった。臨床検査値では1例に好酸球増多, 1例に貧血が認められたが, 本剤に起因すると思われるその他の副作用は認められなかった。
以上から, MEPMは中等症~重症の小児細菌感染症に対し有用な薬剤と考えられた。

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