1992 年 45 巻 7 号 p. 880-888
新しいカルバペネム系抗生物質であるMeropenem (MEPM) につき小児科領域において基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
1.当科臨床分離株に対する抗菌力は, グラム陽性菌からグラム陰性菌にわたり全般に強い抗菌力を示した。
2.MEPMを20mg/kg2例に30分点滴静注した時の最高血漿中濃度は点滴静注終了時で平均32.7μg/mlで, 半減期は平均1.45時間であつた。又, 投与開始後6時間までの尿中回収率は平均43.6%であった。
3.各種小児細菌感染症15例に本剤を投与し, 100%の臨床的有効率を得た。細菌学的には95.2%の有効率であった。
4.副作用は下痢が1例にみられたが軽度で, 2例にGOT・GPT上昇がみられたが投与中止後速やかに正常化した。