1993 年 46 巻 1 号 p. 1-7
アミノグリコシド系抗生物質であるネチルマイシン(NTL)について, デンシトメトリーを応用した微生物学的な定量法を確立した。
酸・塩基指示薬としてチモールフタレインを, CO2ガス吸収剤として水酸化ナトリウムをそれぞれ濾紙に浸み込ませ, これを培養容器中のL部に保持した。Bacillus subtilisを試験菌として37土1℃, 3時間培養を行つた後, 濾紙の濃青色から白色に至る呈色の変化をTLCスキャナーを用いて測定した。
TLCスキャナーから得られた積分値の対数とNTL濃度との問には良好な直線性と相関があった(y=1197.1×e(0.3874x), r=0. 997)。
NTL水溶液を試料とし, 本法による測定値とTDx® による測定値を比較した結果, 両測定値の間にはほとんど差は認あられず, 微生物を用いる迅速測定法としての本法の有用性が確認できた。