The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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近年に検出した臨床分離株に対するPolymyxin Bの抗菌活性
高濃度域を含むMIC測定成績
出口 浩一横田 のぞみ古口 昌美鈴木 由美子深山 成美石原 理加小田 清次田中 節子中根 豊福本 寅雄
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1993 年 46 巻 10 号 p. 884-895

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抄録

1992年1111以降に検出した主な臨床分離株を対象とし, Polymyxin B (PL-B) の抗菌活性を知ることを目的に, 対照薬剤を加えて最小発育阻止濃度 (MIC) を測定して以下の結果を得た。
1. Family Enterobacteriaceaeの主な菌種, すなわちEscherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Enterobacterspp., 更にPseudomonas aeruginosaの多剤耐性株を含む対象株に対するPL-BのMIC分布からは, 現状においてもPL-Bの抗菌スペクトルに入るグラム陰性桿菌のPL-B耐性は, 皆無もしくはそれにほぼ等しいことが示唆された。
2. Sraphylococcus aureus及びCoagulase-negative staphylococciのMethicillin (DMPPC) 耐性株を含むPL-BのMICは, 大部分の株が100~800μg/mlに分布しており, PL-B 1mg/mlの局所使用においてはMRSAを含むStaphylococcus spp. の除菌効果が期待できるという諸家の報告を支持する結果だつた。
3. Bacteroides fragilis groupに対するPL-BのMIC分布も上記とほぼ同様だつた。

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