The Japanese Journal of Antibiotics
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モルモットの皮膚カンジダ症モデルにおけるNeticonazole (SS717) クリーム剤及び液剤の治療効果
前橋 一紀糸山 利生内田 勝久山口 英世浅岡 健光岩佐 曜
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1993 年 46 巻 10 号 p. 896-903

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抄録

新規イミダゾール系化合物Neticonazole hydrochloride (SS717) の外用抗真菌剤としての有用性を評価するために, プレドニゾロン処置モルモットで作成した皮膚カンジダ症モデルを用いて1%クリーム剤及び液剤の治療効果を検討した。対照薬剤には, 市販の1% Bifbnazole (BFZ) クリーム剤及び液剤を用いた。感染5日後から1日1回3日間薬剤を塗布し, 感染9日目に局所皮膚の培養試験を行つて治療効果を判定した。クリーム剤を用いた試験においては, SS717及びBFZ両治療群とも無処置感染対照群に対して有意に (P>0.01) 優れた治療効果を示し, このSS717の治療効果は基剤処置群に対しても有意な (P>0.01) レベルであつた。液剤による試験において, SS717液剤治療群は, 無処置感染対照群, 基剤処置群及びBFZ液剤治療群のいずれをも有意に (P>0.01) 勝る治療効果を示した。一方, BFZ治療群では, 無処置感染対照群よりも菌陰性化傾向が強かつたものの, 有意な差は認められなかつた。
以上の結果から, SS717製剤はモルモットの皮膚カンジダ症モデルにおいてBFZ製剤を上回る優れた治療効果を発揮することが示された。

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