1993 年 46 巻 11 号 p. 1017-1024
新しい経口用セフェム系抗生物質であるS-1108の細粒製剤につき, 小児科領域における臨床的検討を行い, 下記の結果を得た。
IS-1108を4mg/kg食後経口投与した時の最高血漿中濃度は, 投与後1時間で2.47μg/ml, 血漿中濃度半減期は0.81時間であった。その際の投与後4時間までの尿中排泄率は35.7%であった。
2. S-1108を15例の小児各種感染症 (肺炎3例, 急性気管支炎3例, 猩紅熱4例, 急性扁桃炎2例, 蜂窩織炎1例, 尿路感染症2例) に投与し, 100%の有効率を得た。
3. 副作用として1例に下痢が認ぬられた。検査値異常としては1例に好酸球増多がみられた。