1993 年 46 巻 3 号 p. 251-258
造血器疾患に合併した感染症86例に対しSulbactam/Cefoperazone (SBT/CPZ)・Amikacin (AMK) 併用療法を施行し, 有効性及び安全性を検討した。
1. 評価対象症例は71例で, 全体の有効率は66.2%であった。
2. 感染症の内訳で最も多い敗血症疑い症例での有効率は72.5%であった。
3. 好中球数500/μl未満が続く症例で69.2%の有効率を示した。
4. 検出されたグラム陰性桿菌6株における除菌効果はPseudomonas aeruginosaの1株を除いてすべてに認あられた。
5. 1例に一過性の皮疹, 3例にAPTTの軽度延長, 1例に軽度の総ビリルビンの上昇を認めたが, 他に重篤な副作用を認めなかった。
以上から, SBT/CPZ・AMK併用療法は安全性が高く, 造血器疾患に合併した感染症に対し有用な併用療法の一つと考えられた。