1993 年 46 巻 6 号 p. 421-427
Methicillin耐性Staphylococcus aureus (MRSA) をPenicillinase (P-ase) 産生と非産生の2群に分け, Arbekacin (ABK), Tobramycin (TOB), Ticarcillin (TIPC), Clavulanic acid (CVA)とTIPCの合剤, Fosfomycin (FOM) の各種抗生剤感受性について検討した。
46株のMRSAのうち, P-ase産性MRSAは12株であつた。 P-ase産性の有無に関係なく大部分のMRSAがTOB, TIPC, CVAとTIPCの合剤, FOMに対して耐性であったが, ABKに対しては80%が156μg/ml以下の濃度で発育が阻止された。 ABKとFOMの併用効果はみられなかったが, P-ase非産性MRSAの79%でTIPCとFOMに相乗効果がみられた。 P-ase非産生MRSAでは, FOMの併用でペニシリン結合蛋白2'の産生性が弱められると考えられた。