The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
耳鼻咽喉科領域感染症に対するCefpodoxime proxetilの臨床的検討
竹内 裕美生駒 尚秋鈴木 健男中島 幹夫神崎 裕士石津 吉彦槙野 博規杉原 三郎太田原 舜一麻木 宏栄稲賀 潔堀江 貴大沢 広秀中元 雅典門脇 敬一天野 孝志岩下 香代子浅生 宏
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 47 巻 1 号 p. 84-92

詳細
抄録

耳鼻咽喉科領域の感染症症例205例に対するCefpodoxime ploxetil (CPDX-PR, BANAN®)の有用性について臨床的検討を行った。
1. 臨床効果は全体で75.6%の有効率であり, 急性感染症では84.9%, 慢性感染症では60.0%, 慢性感染症の急性増悪では65.6%であつた。
2. 分離菌に対する感受性試験ではCefteramと同等以上の優れた感受性を示し分離菌別の臨床効果も感受性試験結果とよく相関していた。
3. 細菌学的効果は菌の消失・減少を認めたものは83.3%であつた。
4. 副作用は1例に軽度の蕁麻疹を認めたのみで副作用の発現率は0.5%であつた。
5. 臨床検査成績ではCPDX-PR投与後に重篤な障害を認めたものはなかつた。
以上の結果より, Cefpodoxime proxetilは耳鼻咽喉科領域の感染症に対して高い有効性と安全性を有する抗菌剤であることが確認された。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top