The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCefozopranの基礎的・臨床的検討
豊永 義清石原 俊秀畠山 和男佐野 友昭河村 研一瀬尾 究中村 弘典
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1994 年 47 巻 11 号 p. 1495-1513

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抄録

Aminothiadiazolmethoxyiminoacetamido cephalosporin の一つであるCefozopran (CZOP, SCE-2787) について基礎的・臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
1. 血清中濃度, 尿中排泄
体内勲能をOne shot静注, 30分点滴静注において, 1回量10mg/kg, 20mg/kgについて検討した。
One shot静注での30分後の平均血清中濃度は, 10, 20mg/kgでそれぞれ27.8, 52.3μg/mlの値を示し, 血清中半減期はそれぞれ2.01, 2.02時間であった。30分点滴静注では, 点滴静注終了時の平均血清中濃度は, 10, 20mg/kgでそれぞれ36.8, 70.3μg/mlで, 血清中半減期はそれぞれ 1.74, 4.11時間であった。尿中には10mg/kg投与では67.0%以上, 20mg/kg投与では23.2~98.0%が8時間後までに回収された。
2. 臨床成績
本剤を肺炎32例, 気管支炎11例, リンパ節炎3例, 扁桃炎1例, 蜂窩織炎2例, 腸炎2例, 尿路感染症3例の計54例に使用し, 尿路感染症1例をのぞく53例が有効以上の成績で, その有効率は98.1%であった。
臨床的に特記すべき重篤な副作用は認められず, 1例に水様便を認めたが, 投与終了後に消失した。また, 本剤投与中に検討した検査値の異常は9例 (15.3%) に認められ, その内訳は好酸球増多5例, 血小板数減少1例, GOT, GPT上昇各1例, GOT・GPT上昇1例で, いずれも投与を中止した症例はなかった。

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