The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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47 巻, 11 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
  • -Sul-bactam/Ampicillinを中心として-
    島田 馨, 大泉 耕太郎, 横田 健
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1421-1432
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 島田 馨, 小林 宏行
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1433-1440
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 齋藤 篤, 戸塚 恭一
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1441-1448
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 松本 慶蔵, 砂川 慶介
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1449-1456
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 田島 剛, 近藤 康夫, 根岸 祥子, 河島 渉子, 萩原 教文, 飯塚 雄俊, 窪田 和興, 阿部 敏明
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1457-1463
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児におけるCefozopran (CZOP) の基礎的・臨床的検討を行った。臨床検討の対象は, 1ヵ月から12歳までの13例であった。投与方法は1同20mg/kg (今回検討した上顎洞炎では1回 50mg/kg), 1日3回静注もしくは30分間点滴静注を3~11日間行った。
    細菌感染症13例 (肺炎11例, 中耳炎1例, 上顎洞炎1例) に対する有効率は100%で, すべて著効であった。
    臨床的副作用は13例全例に認あられなかった。
    細菌学的効果を判定し得た10例からは, 14株 (Streptecoccus pneumoniae4株, Streptecoccus pyogenes1株, Moraxella (Branhamella) catarrhalis3株, Haemophilus influenzae6株) が分離されたが, 2例よりそれぞれ分離された2株のH. influenzaeは減少および不変で, その他の菌は消失した。
    3例についてはCZOPを20mg/kg, 30分間点滴静注で投与し, 血中濃度と尿中排泄を測定した。CZOPの最高血中濃度は点滴静注終了直後にあり, 39.1μg/ml (25.6~52.5μg/ml) であった。尿中回収率は投与後8時間までに49.0% (45.2~51.8%) であった。
    以上の成績並びにCZOPの極めて広い抗菌スペクトルと強い抗菌力から, 本剤は小児の軽症から重症感染症の初期治療に使用し得る有望な抗生物質と考えられた。
  • 目黒 英典, 藤井 良知, 寺嶋 周
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1464-1472
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    21例の小児急性感染症の症例でCefozopran (CZOP) の臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. 臨床効果判定を行いえた18例 (肺炎8例, 蜂巣炎2例, 尿路感染症6例など) で100%の有効率と除菌効果が得られた。
    2. 副作用・検査値異常は各1例ずっ認められたが, いずれも軽度で, 従来のセフェム薬と同様であると思われた。
    3. 体内動態は投与量に比例して高い血中濃度が得られ, 血中半減期は約1.5~1.8時間, 尿中排泄率は5~8時間で63~96%であった。
    以上よりCZOPは小児においても安全で, その抗菌範囲からCompromisedhostにおける感染症を含む細菌感染症に広く有用であろうと考えられた。
  • 新納 憲司, 佐藤 肇
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1473-1484
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefozopran (CZOP, SCE-2787) を小児に使用して, 次の結果が得られた。
    1. 血中濃度
    30分点滴静注時におけるCZOPの最高血中濃度は, すべて点滴終了時にあり, 20mg/kg投与の2例平均で77.1μg/ml, 10mg/kg投与の3例平均では40.5μg/mlであった。また, 血中濃度半減期は前者では1.78時間, 後者では1.62時間であった。
    2. 尿中排泄
    30分点滴静注開始後6時間までのCZOPの尿中回収率は, 20mg/kg投与の2例平均で53.2%, 10mg/kg投与の3例平均では56.2%であった。
    3. 臨床効果扁桃炎, 気管支炎, 気管支肺炎, リンパ節炎, 蜂窩織炎, 尿路感染症等合計17症例に用い, 有効率16/17の94.1%であった。
    4. 細菌学的効果臨床分離の8菌種, 19株の消失率は18/19の94.7%であった。
    5. 副作用
    軽度の下痢1例, 臨床検査値異常として2例でGOT, GPTの軽度上昇がみられた。
  • 秋田 博伸, 佐藤 吉壮, 岩田 敏, 横田 隆夫, 砂川 慶介
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1485-1494
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発された注射用セフェム系抗菌薬Cefozopran (CZOP) の小児科領域における基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    50mg/kg One shot静注時の血清, 髄液中濃度は, 1時間後にそれぞれ92.1, 10.5μg/mlで, 髄液/血清比は11.4%であった。
    臨床的検討では, 髄膜炎, 肺炎, 尿路感染症, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群など25例に1回 16.0~50.0mg/kg, 1日3~4回静注もしくは点滴静注し, 全例有効以上であった。細菌学的効果は, 25株が検出され, そのうちStaphylococcus aursus1株, Salmonella2株が不変であった以外消失した。
    副作用は27例中1例に下痢, 臨床検査値異常は好酸球増多1例, 血小板数増多3例, GPT上昇2例が認められた。
    止血機構に及ぼす影響も併せて検討したが, PIVKA II, HPT, APTTの凝固系検査への影響は認あられなかった。
    以上より, 本薬は20~50mg/kgを1日3~4回静脈内及び点滴静脈内に投与することにより, 小児科領域における感染症に対し有効であり, 安全な薬剤であると考えられた。
  • 豊永 義清, 石原 俊秀, 畠山 和男, 佐野 友昭, 河村 研一, 瀬尾 究, 中村 弘典
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1495-1513
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aminothiadiazolmethoxyiminoacetamido cephalosporin の一つであるCefozopran (CZOP, SCE-2787) について基礎的・臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. 血清中濃度, 尿中排泄
    体内勲能をOne shot静注, 30分点滴静注において, 1回量10mg/kg, 20mg/kgについて検討した。
    One shot静注での30分後の平均血清中濃度は, 10, 20mg/kgでそれぞれ27.8, 52.3μg/mlの値を示し, 血清中半減期はそれぞれ2.01, 2.02時間であった。30分点滴静注では, 点滴静注終了時の平均血清中濃度は, 10, 20mg/kgでそれぞれ36.8, 70.3μg/mlで, 血清中半減期はそれぞれ 1.74, 4.11時間であった。尿中には10mg/kg投与では67.0%以上, 20mg/kg投与では23.2~98.0%が8時間後までに回収された。
    2. 臨床成績
    本剤を肺炎32例, 気管支炎11例, リンパ節炎3例, 扁桃炎1例, 蜂窩織炎2例, 腸炎2例, 尿路感染症3例の計54例に使用し, 尿路感染症1例をのぞく53例が有効以上の成績で, その有効率は98.1%であった。
    臨床的に特記すべき重篤な副作用は認められず, 1例に水様便を認めたが, 投与終了後に消失した。また, 本剤投与中に検討した検査値の異常は9例 (15.3%) に認められ, その内訳は好酸球増多5例, 血小板数減少1例, GOT, GPT上昇各1例, GOT・GPT上昇1例で, いずれも投与を中止した症例はなかった。
  • 久野 邦義, 小川 昭正, 早川 文雄, 高橋 秀明, 近藤 勝, 奥村 彰久
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1514-1520
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいセファロスポリン系抗生物質Cefozopran (CZOP) につき小児科領域で臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. CZOPを3~5歳の小児3例に20mg/kg One shot静注した時の投与後30分の平均血清中濃度は45.9μg/mlで, T1/2は1.77時間であった。投与後8時間までの平均累積尿中排泄率は71.4%であった。
    2. 本剤を14例の小児細菌感染症 (肺炎9例, 尿路感染症4例, リンパ腺炎1例) に55.8~65.7mg/kg/日, 3回に分けて投与し100%の有効率を得た。細菌学的にも100%の消失率であった。
    3. 副作用は1例もなかった。検査値異常としては, GOT上昇2例, GPT, LDH上昇各1例, 好酸球増多, 血小板増多各2例を認めたが, いずれも軽度であった。
  • 岩井 直一, 中村 はるひ, 宮津 光伸, 渡辺 祐美, 種田 陽一
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1521-1535
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい注射用セフェム系抗生剤であるCefozopran (CZOP) について, 小児科領域における基礎的, 臨床的検討を行った。
    1. 小児4例 (5~10歳) における本剤20mg/kg One shot静注後の血清中濃度は, 投与後30分が32.9~73.4μg/ml (平均55.4±18.1μg/ml) で, その後は1.67~2.24時間 (平均1.85±0.27時間) の半減期で漸減し, 投与後8時間では0.8~1.8μg/ml (平均1.2±0.4μg/ml) であった。また, 尿中排泄については, 投与後0~2時間あるいは2~4時間において最高1, 773~3, 450μg/ml (平均2, 693±698μg/ml) の尿中濃度がえられ, 投与後8時間までの尿中回収率は55.4~91.1% (平均716±16.8%) であった。
    2. 化膿性髄膜炎例と無菌性髄膜脳炎例において検討した髄液移行は, 前者では1回42.5mg/kg, 1日4回One shot静注で投与を開始した翌口の投与後1時間の髄液中濃度は8.8μg/mlで, その際の髄液・血清中濃度比は24.0%であった。また後者では, 1回50mg/kg, 1日4回One shot静注した投与翌日及び6日目の投与後1時間の髄液中濃度は11μg/ml, 1.5μg/mlで, 髄液・血清中濃度比についてはそれぞれ0.93%, 2.41%であった。
    3. 小児期感染症29例 (2カ月~15歳) を対象にして臨床評価を行った。尚, 1回の投与量は17~50mg/kg, 1日の投与回数は3~4回, 投与口数は5~13口にわたり, また総投与量は1.95~24.05gであった。
    臨床効果の判定対象となった化膿性髄膜炎1例, 急性化膿性扁桃腺炎2例, 急性肺炎20例, 急性尿路感染症3例, 化膿性リンパ節炎 (頸部) 1例, 蜂窩織炎 (顔面) 1例, 計28例における臨床効果は, 著効22例, 有効6例で, 著効と有効を含めた有効率は100.0%であった。また, 原因菌と推定されたStreptcococus pneumoniae 3株, Moraxella (Branhamellaのcatarrhalis 1株, Escherichia coli 2株, Haemophilus influenzae 4株, Acinetobacter calcoacets 1株に対する細菌学的効果は, H. influenzaeの1株が減少であった以外は消失と判定され, 菌消失率は90.9%であった。副作用は全く認められなかった。また臨床検査値異常については, GOT及びGPTの上昇が1例, 血小板増多が1例認められたが, 前者は追跡により正常化が確認された。
    以上の成績より, 本剤は小児期感染症においても高い有効性が期待でき, しかも安全に投与できる薬剤であると考えられた。
  • 北村 賢司, 庵原 俊昭, 神谷 齊, 東 英一, 伊藤 正寛, 櫻井 實
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1536-1543
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    3ヵ月から15歳の小児22例に化膿性髄膜炎例を除きCefozopran (CZOP) を1回10~40mg/kgを1日3~4回, 3~16日間静脈内投与し, CZOPの薬物動態と小児感染症に対する有効性及び安全性につき検討した。
    CZOP 10mg/kg, 20mg/kg及び40mg/kgを静注した時の血中半減期はそれぞれ2.84時間, 236±0.67時間及び2.48時間であり, 投与後6時間以内の尿中回収率はそれぞれ83.6%,62.9±23.1%, 77.3%であった。
    効果判定可能な対象疾患は化膿性髄膜炎1例, 呼吸器感染症8例, 尿路感染症2例, 口腔内感染症2例, 咽頭扁桃炎2例, 皮膚軟部組織感染症1例, 外耳道炎1例の計17例であった。
    有効率は88.2%であり, 特に化膿性髄膜炎には著効であり, 何ら後遺症なく治癒した。起炎菌が同定され経過を追跡し得たのは, 6例7株 (Haemophilus influenzae 5株, Stgphylococcus aureus 1株, Group B Streptococcus 1株) であり, 1例を除き除菌された (除菌率83.3%)。化膿性髄膜炎症例においては, 投与6時間後に髄液中の菌は著明に減少し, 45時間後には消失した。
    副作用は1例に発疹が見られたが, 中止後速やかに消失した。2例に好酸球の上昇がみられたが, 投与中止後正常化した。
  • 西村 忠史, 田吹 和雄, 高木 道生, 青木 繁幸
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1544-1552
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefozopran (CZOP, SCE-2787) の小児感染症に対する臨床的検討を化膿性扁桃炎2例, 急性肺炎11例, 尿路感染症2例, 腸炎2例の計17例について行った。
    臨床効果は著効12例, 有効2例, やや有効2例, 無効1例で, 有効率は82.4% (14/17) であった。
    一方, 細菌学的効果はStreptococcus pneumoniae 2株, Enterococcus faecalis 1株, Haemophilus influenzae 3株, Escherichia coli 2株, Vibrio parahaemolyticus 1株の計9株について検討したが, 9株すべて本剤投与により消失した。
    副作用は本剤投与前後の臨床症状・所見及び検査所見の異常を計18例について検討したところ, 皮疹が1例, 臨床検査値異常は, 血小板増多1例, 好酸球増多2例, GPT上昇及びGOT, GPT上昇各1例に認められた。
  • 谷内 昇一郎, 東野 博彦, 高屋 淳二, 石崎 優子, 木野 稔, 禹 満, 小林 陽之助
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1553-1558
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい注射用セフェム系抗菌薬Cefozopran (CZOP) の細菌学的及び臨床的検討を行った。
    11例の患児にCZOPを1日24.0~78.0mg/kgを3回に分割して30分点滴静注を行った。
    臨床的検討は効果判定が不能であった2例を除く9例 (急性肺炎4例, 尿路感染症2例, リンパ節炎2例, 敗血症1例) について行った。臨床効果は著効5例, 有効3例, やや有効1例で9例中8例が有効以上であった。細菌学的効果では起炎菌が検出された5例の5株中4株に菌の消失がみられた。CZOPのMICはCeftazidimeとほぼ同等の抗菌活性であった。
    副作用及び臨床検査値異常は3例に認められ, 下痢1例, GPT上昇1例, 血小板数増多1例であったが, 重篤なものはみられなかった。
  • 春田 恒和, 大倉 完悦, 黒木 茂一, 仁紙 宏之, 小林 裕
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1559-1564
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児細菌感染症9例 (1カ月~13歳) に対してCefozopran (CZOP, SCE-2787) 1日56.7~200mg/kgを3~4回に分割して静注し, 以下の成績を得た。
    1. 化膿性髄膜炎1例, 敗血症1例, 急性肺炎3例, リンパ節炎3例計8例の臨床効果は著効6例, 有効2例で無効例はなく有効率は100%であった。1例 (膿皮症) は外用抗菌剤併用のため, 判定不能であった。
    2. 起炎菌と考えられた5株 (Haemophilus influenzae 3株, Staphylococcus aureus 1株, Escherichic coli 1株) に対する細菌学的効果は, 全株消失であった。
    3. 臨床的副作用は膨疹が1例に, 臨床検査値異常としてGOT・GPT上昇が2例, 好酸球増多が1例にみられたが, いずれも問題となるようなものではなかった。
    4. 以上の成績から, CZOPは小児細菌感染症に対し有効な薬剤であると考えられた。
  • 戒能 幸一, 貴田 嘉一, 松田 博
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1565-1575
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児科領域におけるCefozopran (CZOP) の血中濃度, 尿中排泄ならびに有効性と安全性を検討し, 以下の結果が得られた。
    1. CZOPの血中濃度は, 20mg/kg, 40mg/kg静注投与後30分ないし1時間 (初回採血) で最高値が得られ, 静注投与後6時問では20mg/kgで1.6μg/ml (HPLC), 1.9μg/ml (Bioassay), 40mg/kgで2.9~9.1μg/ml (HPLC), 2.9~8.4μg/ml (Bioassay) であった。血中半減期は, 1.58~2.27時間 (HPLC), 1.53~1.85時間 (Bioassay) であった。CZOP 20mg/kg静注投与後8時間までの尿中回収率は61.5% (HPLC), 54.6% (Bioassay) であり, 投与後6~8時間の尿中濃度は157.3μg/ml (HPLC), 129.7μg/ml (Bioassay) であった。
    2. 呼吸器感染症16例, 尿路感染症2例, 急性腸炎2例, 皮膚軟部組織感染症1例, 化膿性リンパ節炎1例に対するCZOPの臨床効果は, 著効が68%, 有効が32%で全例有効であった。
    3. 細菌学的効果では菌消失率は100% (9株/9株) であった。
    4. 臨床分離菌 (Staphylococcus aureus, Methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA), Streptococcus pneumoniae, Escherichia coli, Moraxella (Branhamella) catarrhalis) のMICを他の注射用セフェム剤 (Ceftazidime (CAZ), Cefuzonam (CZON), Flomoxef (FMOX), Cefmetazole (CMZ)) と比較すると, グラム陽性菌のS. aureus, MRSA, S. pneumoniaeではCZONとほぼ同じ低い値で, CAZより明らかに低値であった。グラム陰性菌のE. coliでは他の抗生剤と同様の低い値を示し, M.(B.) catarrhalisではCAZ, FMOX, CMZより高い値であったが, その値は1.56μg/mlであった。
    5. CZOPの副作用としては22例中1例に下痢が認あられ, 臨床検査値の異常として好酸球増多が2例 (9.1%), 好中球減少が1例 (4.5%), 血小板数増加が1例(4.5%), GPT上昇が3例(13.6%) に認められた。しかし, これらはいずれも軽症のものであり, 臨床上問題になるものではなかった。
    以上の結果から, CZOPは種々の細菌感染症に対して高い有効性と安全性を有しており, 小児科領域の細菌感染症の第1選択抗生剤になり得ると考えられた。
  • 森田 英雄, 藤枝 幹也, 森澤 豊, 新井 淳一, 篠原 示和, 細川 卓利, 長尾 昭久, 渡辺 誠司, 前田 治子, 武田 興二, 倉 ...
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1576-1581
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児科領域におけるCefozopran注射剤の臨床的検討を行い下記の成績を得た。1. 肺炎9例, 急性気管支炎1例, 化膿性リンパ節炎1例, 皮膚軟部組織感染症4例, 腸炎1例の計16例を対象とした。
    Cefozopran注射剤20~35mg/kg, 1日3回, 30分点滴静注で4~14日間投与した。
    2. 臨床的効果では著効10例, 有効6例であり, 有効率は100%であった。
    細菌学的効果では, 起炎菌と考えられる13株すべてが除菌され, 除菌率は100%であった。
    3. 副作用症状としては発疹が1例でみられた。臨床検査所見では軽度のGPT上昇が4例, GOT上昇が2例で認められた。
  • 関口 隆憲, 岡本 喬
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1582-1588
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefozopranを12例の小児細菌感染症に静注投与した。症例の内訳は肺炎9例, 膿胸, 膿痂疹, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群各1例であった。
    臨床効果は著効11例, 有効1例で有効率は100%であった。細菌学的効果は10株で検討でき, 10株すべて消失した。本剤のStaphylococcus aureusとPseudomonas aeruginosaに対するMICはCeftazidimeより1~数管優れていた。
    自他覚的副作用はみられず, 検査値異常として好酸球増多が1例みられた。
  • 本廣 孝, 半田 祥一, 山田 秀二, 佐々木 宏和, 沖 眞一郎, 吉永 陽一郎, 織田 慶子, 荒巻 雅史, 阪田 保隆, 山下 文雄, ...
    1994 年 47 巻 11 号 p. 1589-1611
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    注射用新セフェム系抗菌剤であるCefozopran (CZOP, SCE-2787) を小児感染症例に投与し, 臨床分離株に対する抗菌力, 体内動態, 有効性及び安全性について検討した。
    1. 薬剤感受性試験
    CZOP投与症例から分離された計19株を対象として, Cefmetazole, Ceftazidime, Cefuzonam, Flomoxefの4剤とCZOPの計5薬剤についてMICを測定した。CZOPに対するMICはグラム陽性球菌でStaphylococcus aureus (3株) 0.39~0.78μg/ml, Streptococcus pneumoniae (5株) 0.05~6.25μg/ml, Enterococcus faecalis (1株) 12.5μg/mlと従来のセフェム剤と同等以上で, 特にE.faecalisに対する抗菌力は対照薬剤に優っていた。グラム陰性桿菌ではCitrobacter freundii (1株) 25μg/ml, Pseudomonas aeruginosa (1株) 6.25μg/mlで従来のセフェム剤と同等以上の抗菌力を有し, Haemophilus influenzae (7株) 0.1~0.39μg/mlであったが, Serratia marcescens (1株) は対照薬剤同様>100μg/mlであった。
    2. 体内動態
    CZOPの20mg/kg及び40mg/kgをワンショット静注し, 血清中濃度, 尿中濃度及び髄液中濃度をBioassay法にて測定した。投与後30分の血清中濃度は20mg/kg投与の1例で60.4μg/ml, 40mg/kg投与の2例はそれぞれ93.9, 99.0μg/mlであった。半減期は20mg/kg投与例が1.55時間, 40mg/kg投与例がそれぞれ1.10, 3.41時間であった。AUCは20mg/kg投与例が1365μg・hr/ml, 40mg/kg投与例がそれぞれ194.4, 264.5μg・hr/mlであった。投与後8時間までの尿中累積回収率は20mg/kg投与例で45.0%, 40mg/kg投与例ではそれぞれ84.6, 97.6%であった。髄液中濃度は化膿性髄膜炎の3例で測定され, 投与後1時間で2.6~16.0μg/ml, 髄液/血清中濃度比は6.5~39.0%であった。
    High-performance liquid chromatography法でも類似の成績が得られた。
    3. 臨床成績
    臨床効果判定は48例が可能で, そのうち3歳未満の症例が75%で男児がやや多かった.大多数の症例がCZOPの1回約20mg/kgを1日3回投与され, 投与期間は6~10日と1週間前後が多かった。臨床効果は化膿性髄膜炎2例を含む48例中46例が有効以上で有効率は95.8%であった。疾患別には咽喉頭炎1例, 副鼻腔炎3例, 化膿性髄膜炎2例, 尿路感染症7例, 膿痂疹1例, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群3例, 蜂窩織炎2例では全例有効以上で, 肺炎での有効率は96.2% (25/26), 化膿性リンパ節炎は3例中2例が有効であった。細菌学的効果は起炎菌あるいは起炎菌と推定される細菌が18例から22株分離され, グラム陽性球菌のS. aureus 1株, Staphylococcus epidermidis 1株, S. pneumoniae 5株, E. faecalis 1株はいずれも消失した。Enterococcus faeciumの1株は減少であった。グラム陰性桿菌ではH. influenzae 9株中8株が消失し, 1株は不変, C. freundii 1株, Proteus penneri 1株, P. aeruginosa 1株はいずれも消失したが, S. marcescens 1株は不変であった。全体では22株中19株 (86.4%) が消失した。副作用は安全性採用例58例中1例に無形軟便がみられた。臨床検査値異常は好酸球増多1例, 血小板増多1例, GOT上昇2例がみられた。これらの症状・所見は軽~中等度のもので, 処置を必要とするものはなかった。
    以上の基礎的・臨床的成績より, CZOPは小児科領域感染症に有用な薬剤と考えられた。
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