1994 年 47 巻 11 号 p. 1553-1558
新しい注射用セフェム系抗菌薬Cefozopran (CZOP) の細菌学的及び臨床的検討を行った。
11例の患児にCZOPを1日24.0~78.0mg/kgを3回に分割して30分点滴静注を行った。
臨床的検討は効果判定が不能であった2例を除く9例 (急性肺炎4例, 尿路感染症2例, リンパ節炎2例, 敗血症1例) について行った。臨床効果は著効5例, 有効3例, やや有効1例で9例中8例が有効以上であった。細菌学的効果では起炎菌が検出された5例の5株中4株に菌の消失がみられた。CZOPのMICはCeftazidimeとほぼ同等の抗菌活性であった。
副作用及び臨床検査値異常は3例に認められ, 下痢1例, GPT上昇1例, 血小板数増多1例であったが, 重篤なものはみられなかった。