The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
Cefozopranの小児科領域における臨床的検討
春田 恒和大倉 完悦黒木 茂一仁紙 宏之小林 裕
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 47 巻 11 号 p. 1559-1564

詳細
抄録

小児細菌感染症9例 (1カ月~13歳) に対してCefozopran (CZOP, SCE-2787) 1日56.7~200mg/kgを3~4回に分割して静注し, 以下の成績を得た。
1. 化膿性髄膜炎1例, 敗血症1例, 急性肺炎3例, リンパ節炎3例計8例の臨床効果は著効6例, 有効2例で無効例はなく有効率は100%であった。1例 (膿皮症) は外用抗菌剤併用のため, 判定不能であった。
2. 起炎菌と考えられた5株 (Haemophilus influenzae 3株, Staphylococcus aureus 1株, Escherichic coli 1株) に対する細菌学的効果は, 全株消失であった。
3. 臨床的副作用は膨疹が1例に, 臨床検査値異常としてGOT・GPT上昇が2例, 好酸球増多が1例にみられたが, いずれも問題となるようなものではなかった。
4. 以上の成績から, CZOPは小児細菌感染症に対し有効な薬剤であると考えられた。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top