The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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小児科領域におけるCefodizimeの血清中, 組織内濃度の検討
松浦 喜美夫緒方 卓郎荒木 京二郎金子 昭川崎 博之小林 道也直木 一朗並川 努安藤 徹山本 拓伊与木 増喜
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1994 年 47 巻 8 号 p. 1071-1076

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抄録

小児科領域でのCefodizime (CDZM) の組織内濃度を知る目的で, 小児の外鼠径ヘルニア根治術施行例13例に対して, 術前にCefodizime (40mg/kg) をOne shotで静脈内投与を行い, 経時的に血清中濃度および組織 (腹膜) 内濃度の測定を行つた。その結果, CDZMの濃度は, 投与後3時間においても血清中で43.1±133μg/ml, 組織内で23.1±6.4μg/gと長時間にわたって高濃度に維持した。一方, 投与3時間後の血清比 (組織内血清中濃度比) は投与1時間後および2時間後の血清比に比べ高いことから, 組織からのCDZMの消失は血清からの消失に比べ緩やかであると維察された。
また, 副作用は認められず, 小児科領域でも有用でかつ安全な薬剤であると考えられた。

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