The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科感染症におけるIL-6の変動に関する検討
千村 哲朗斉藤 憲康横山 幸生松尾 正城沼崎 政良小川 哲司
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1994 年 47 巻 8 号 p. 1077-1084

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抄録

産婦人科領域感染症に対し初期治療の目的にImipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) を投与し, 感染マーカーとしての血中Interleukin-6 (IL-6) の変動を検討し, 以下の成績を得た。
1. 投与対象は絨毛羊膜炎 (n=7), 子宮内感染 (n=4), 皮下膿瘍 (n=1) で, IPM/CS1~2g/日の点滴静注によつた。臨床効果は著効1例, 有効11例で有効率は12/12(100%)であった。
2. 感染マーカーとしての血中IL-6の検討では, 概してIL-6の下降傾向はCRPの変動より早く, IPM/CS投与前の相関関係の検討では, IL-6とCRP (r=0.946), IL-6とElastase (r=0.355), ElastaseとCRP (r=0.579) であった。全経過中での同様の検討では, IL-6とCRP (r=0.581), IL-6とElastase (r=0.303), ElastaseとCRP (r=0, 776) の相関関係を示した。
以上の結果から, 産婦人科領域感染症における血中IL-6の変動は, その病態と治療効果を早期に反映する感染マーカーとしての意義を示唆している。

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